そんなこともしらないの?/パク・ジョンソブ・作 なかやま よしゆき・訳/フレーベル館/2023年
はらぺこアンコが、おなかをいっぱいにしようと まず目をつけたのが赤いサカナ。
「おーい あかいサカナが かぜをひいてるってさ~」「かぜをひくと ねつがどんどん あがるだろ? だから まっか なんだ! そんなことも しらないの~?」と大声。
赤いサカナは、「なんでさわいでいるの?」「サカナが かぜひくわけないよね」と思いますが、ほかのサカナが「うつったりしたらたいへん」「かぞくがしんぱい」「とっととおいだせ」と、赤いサカナを群れからおいだしてしまいます。
アンコウは、追い出された赤いサカナを ペロリと呑み込んでしまいます。
つぎの目標は、黄色いサカナ。「おーい きいろいサカナも かぜを ひいてるってさ~。 あ~あ うつっちゃったんだ~。」「かぜをひくと きいろい はなみずが でるよね? だから あいつら きいろいんだ! そんなことも しらないの~?」。こんどは黄色いサカナが群れから追い出され、アンコウのおなかのなかへ。そして、おなじ手口で、青いサカナもアンコウのおなかの中へ。
残ったサカナは喧々囂々。残ったサカナも がぶっ! と呑み込んだアンコウでしたが、クラゲにこちょこちょされ、ハックションと、くしゃみをすると 呑み込んだサカナが、みんなアンコウのおなかのなかから飛び出し、サカナたちの逆襲が・・・。
アンコウの話をどううけとめるか サカナたちの会話が展開します。
アンコウがフェイクニュースで サカナたちを、疑心暗鬼にさせ、仲間を分断し、自分に都合のいいように誘導していきます。はじめは 嘘と思っても 誘導されていく恐ろしさ。
それが本当なのか、まちがった情報なのかを 見極める力が必要になりますが、情報に接したとき、自分に都合のいい情報だけを選択しては真偽のほどは、わかりません。