どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

かえるをのんだととさん、だんだんのみ、節分の話

2019年09月23日 | 昔話(日本)
かえるをのんだととさん  

      かえるをのんだととさん/作:日野 十成 絵:斉藤 隆夫/福音館書店/2008年

 節分の由来にかかる「かえるをのんだととさん」という話を、男の人の語りで聞いたことがありました。

 この絵本をもとにして話されていました。

 お腹が痛くなったととさんが、お寺の和尚さんに相談に行くと、「お腹に虫がいるせいだから、蛙をのむといい」と教えてくれます。蛙をのみこむと、お腹の痛いのはなおりますが、今度は、お腹の中で蛙が歩くので気持ちが悪くなり、また和尚さんに相談すると、「ヘビをのむといい」といわれます。

 ヘビの次は雉、というように前にのみこんだものを食べる動物を次々とのみこみます。その後は、雉を撃つ猟師をのみこみ、次に鬼をのみこみ、最後はお腹の中の鬼を退治するため和尚さんが「鬼はそとー」と、ととさんの口の中に豆を投げ込むと、お腹の鬼は「これは節分の豆だ。痛い痛い。たすけてくれえ」といって、尻の穴からとびだし逃げていくという落ちになっています。(絵本ナビの紹介より)。

 とくに、ととさんとかかさんのかけあいや和尚さんのとぼけた感じが面白かったことをおぼえています。
 この絵本は新潟県の昔話からとられたようでした。

 奇想天外な話なのですが、語りで聞くとすぐにひきこまれました。次から次へと飲み込むので、次は何がでてくるだろうと興味津々でした。



      だんだんのみ/長谷川摂子・文 福知伸夫・絵/岩波書店/2004年

 タイトルの”のみ”が実かとおもったら「かえるをのんだととさん」とおなじ内容でした。

 版画で描かれていますが、最後の豆はネズミが食べていました。

 「かえるをのんだととさん」の方が、知られているようですが、出版は「だんだんのみ」のほうが4年ほど前です。

 ととさの大きな口、たしかにいろいろなものを呑み込めそうです。

 

節分の由来(福岡)(日本の民話6/角川書店/1983年初版)

 絵本ほど知られてはいないと思いますが、昔話らしいお話です。

 城から城へと使いをしている状持が、化け物(鬼)に会って食われそうになりますが、この世の思い出にでっかいものに化けてみてくれと頼みます。鬼はでっかい山ほどに化けます。すると状持は、今度は小さいものに化けられるかと持ち掛けます。

 ここまでくるとおなじみのパターンです。

 豆粒くらいになった化け物を飲み込んでしまった状持でしたが、腹の中で鬼が暴れまわるので、苦しいやら痛いやら我慢できなくります。
 かねて顔見知りの和尚さんに相談すると、和尚さんは「鬼は外、鬼は外、福は内」といいながらいり豆をまきます。

 すると状持の尻がむずかゆくなり、屁が出たくてたまりません。和尚さんが遠慮なしに屁をこいてしまえというと、鬼は屁となって吹っ飛んだという結末。

 この話は、お寺の豆まきのはじまりの伝説とされていますが、まだまだ節分の話は多いのではないでしょうか。

 もっとタイトルが工夫されると、広く受け入れられるように思います。


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