どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

「りこうなシカ」「ジャッカルがはじめて人間を見たとき」・・インドネシア

2012年10月06日 | 昔話(東南アジア)

 アラビアンナイトの世界がイスラムであれば、やはりインドネシアが忘れられない。

 東南アジアにはタイやミャンマ-(英語表記のみでビルマ語での国名は以前のままビルマ)のような仏教国とならんで世界で一番多いイスラム教徒をかかえるインドネシアがある。
 イスラムといえば中近東を思い浮かべるが、インドネシアではアラブ地域のように宗教が政治的にはあまり表面化していないようにみえる。
 

りこうなシカ(インドネシア)(こどもに語るアジアの昔話/こぐま社/1997年初版)


 トラに食べられそうになったシカが、人間を食べるほうが腹いっぱいになるとうまく誘導し、トラは結局猟師にしとめられます。
 次にシカはワニに食べられそうになりますが、この危機もうまく脱します。
 頭のいいことを自慢したいシカは、次にカタツムリと競争しますが、カタツムリの作戦にひかかってカタツムリの勝ちを認めことになります。

 全体が3つのまとまりで構成され、トラと人間のやりとりでは、小さい子、老人、猟師と三人が登場します。自分が利口なことを自慢していたシカがカタツムリと競争し負けを認めるという部分は、登場する動物の違いはありますが、ほかの昔話にもあります。


ジャッカルがはじめて人間を見たとき(子どもに贈る昔ばなし8 つぶむかし/小澤俊夫監修/小澤昔ばなし研究所/2008年初版)


 小澤俊夫氏が主宰している東京・横浜昔ばなし大学再話コースの方が再話したものであるが、トラが猟師にし止められるところでおわっています。

 こぐま社版が1997年で、東京・横浜昔ばなし大学再話コースのものが2008年に発行されているので、多分グループで議論しながら再話したのでしょうが、その過程で当然こぐま社版も念頭にあったはずなので、どんな議論があったか興味のあるところです。

 ところで、「りこうなシカ」の方は、大分時間をかけて覚えたもので、これから機会をみて語ってみたいと思っていたのですが、「ジャッカルがはじめて人間を見たとき」をみて、少し軌道修正が必要かなと思ったところ。
 もう少し早く知っていたらと、汗がどっとでてきた感じ(笑)  


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