だめといわれてひっこむな/愛蔵版おはなしのろうそく5/東京子ども図書館編/2001年
おばあさんと子ネズミのやりとりが、ほほえましい話。おはなし会でもよく聞きますが、もっぱらほかの人の語りをきいています。
おばあさんが糸を紡いでいると、暖炉のそばの小さな穴から子ネズミがちょろりでてきてききます。
「おばあさん、その糸を紡いで、なにをつくるの」
「セーターがすりきれたので、うちの人のセーターを編むのさ」
いったん、穴にもどった子ネズミがでてきて、聞きます。
「おばあさんのだんなさん、あたらしいセーターをつくってもらったら、いままできていた、いままで着ていたふるいセーターどうするの」
「それは、牛のお乳をしぼるとき、私が着るよ」
おばあさんの古いシャツは犬小屋の敷物に。
もういちど、でてきた子ネズミが、犬の古い敷物について聞くと、おばあさんは、「お前にやるよ」と、うれしいプレゼントをもらうことに。
子ネズミが 穴からでてくるたびに「おかあちゃんがきいてこいってー」いうので、子ネズミと母ネズミのやりとりが、想像できます。母ネズミは、いちども登場しないのですが・・。
おばあさんは、いちども「だめ」といいません。子ネズミは「チュー、チュー、チュー、そいじゃ、おかあちゃんに、そういってきます」といいながら ひっこみます。
最後に歌があり、どんな節で 歌うのかイメージできなくて、手を出しにくい。まあ、歌を省略する方もいますが・・。
瀬田貞二さんの訳です。