Mars&Jupiter

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アーノルト(アルノルト)・シェーンベルクの3つのピアノ曲とピアノ組曲聴きながら二俣川から鶴ヶ峰まで

2008-07-29 06:10:07 | 古典~現代音楽オーストリア編
昨日は二俣川から鶴ヶ峰駅まで歩きました。
途中聴いたのは1874年生まれのシェーンベルクのピアノ曲。
12音技法の創始者として有名なシェーンベルクについては、
あらためてその生い立ちについては触れない。
今回は1909年に作曲された3つのピアノ曲作品11と、
1920年から23年にかけて作曲された5つのピアノ曲作品23と
1921年から23年にかけて作曲されたピアノ組曲作品25を聴いた。
聴いたCDの演奏はグレン・グールドである。

3つのピアノ曲作品11は初期の無調で書かれた作品である。
第1曲「中庸に」は、三部形式による作品である。
ゆったりとしながらも鋭い感じをもつ表現主義的な音楽である。
曲そのものには関係ないがグールドのうなり声も時々聴こえてくる。
第2曲「中庸に」は、三部形式により書かれているようだ。
オスティナート風の動きの中、叙情的な旋律が時々現れる冒頭に対し、
対照的な中間部は激しさを持ち、ピアニズム的な無調の音楽である。
第3曲「動きを持って」は、前の2つの曲に比べ主題のない曲で、
急速なテンポの中、激しく野心的な音楽がくりひろげられる。

5つのピアノ曲作品23は無調時代から、
12音技法時代への移行期にあたる作品である。
第1曲「非常にゆるやかに」は、ポリフォニック的な作品で、
3つの声部が和声から解放されたかのように自由な動きをみせる。
第2曲「非常に急速に」は、9音からなる音列を基礎に、
曲が作られており、激しさの部分ももった音楽である。
第3曲「ゆるやかに」は、5音による音列を使っているようだ。
ゆったりとは始まるが、時々音楽は激しくもなり、
最後は神秘的な雰囲気で静かに終わる。
第4曲「活気を持って」も、5音による音列を使った作品。
第5曲「ワルツ」は、12音の音列を使った音楽である。
ここに至りようやく12音技法に到達したといった感じである。

ピアノ組曲作品25は12音技法で書かれた作品である。
第1曲前奏曲の初めの右手に音列の原形が示されるようだ。
第2曲第3曲のガヴォット-ミュゼット-ガヴォットは、
全曲の中でも長大な曲で、しかし緻密に作られた曲である。
まさに12音技法を駆使した意欲的な曲であると思う。
第4曲間奏曲は、両手の手の動き方が興味深い。
第5曲メヌエットは、各声部の動き方がなかなかである。
第6曲ジーグは、強調されたリズムと、
めまぐるしく変化していく音楽の展開が面白い。
ピアノ奏者にとってはなかなか難曲なのかなとも思う。
この3曲を聴くとどのようにしてシェーンベルクが、
12音技法の音楽に至ったのかの経緯をたどることができる。
コメント
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