Mars&Jupiter

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松村禎三の弦楽四重奏とピアノのための音楽と「アプサラスの庭」を聴きながら、二俣川から緑園都市まで歩く

2008-09-14 06:03:55 | 古典~現代音楽日本編
昨日は二俣川から緑園都市駅まで歩きました。
途中聴いたのは1929年京都生まれの松村禎三の作品。
松村禎三は1949年から東京に移り、池内友次郎や伊福部昭に師事し、
1955年に「序奏と協奏的アレグロ」が毎日音楽コンクール作曲部門で、
第1位を受賞してから世に知られるようになり、
その後次々と意欲的な作品を世に送り出した作曲家である。

弦楽四重奏とピアノのための音楽は、
1961年から62年にかけて作曲された。
冒頭ヴァイオリンによって奏される音型は、
他の弦楽器にも引き継がれ、合奏となり
音型はまるで生物のように変化を遂げていき、
増殖していくかのように音量を増して頂点を迎える。
その後ピアノが入り、幻想的で氷のような冷たさを持ち、
徐々に音楽は再び生命を取り戻したかのように動き出し、
最初の音型をもとに展開され、激しさを増していく。
その後音楽は再び静まり、幻想的な音楽が繰り返される。
宇宙空間を彷徨うような、浮遊感を思わせる音楽が続き、
ピアノが一定の音型を繰り返していくのに対し、
弦楽器はそこに表情をつけながら激しさを加えていく。
最後は冒頭のような弦楽器による音型を繰り返す音楽となり、
その動きはやがて減速していき、ヴァイオリンのみの演奏となり、
やがては静寂となり、消えるように終わる。

「アプサラスの庭」は1971年に作曲を完成した作品で、
ヴァイオリンとフルート、ピアノにより演奏される。
ピアノとフルートにより始まる音楽は、
ストラヴィンスキーを想起させる原始的な雰囲気をも漂わせる。
フルートの音はヴァーレーズの密度21.5をも感じさせるが、
その一方で日本的な部分も感じさせるところもある。
アブサラスとはインド神話に語られる一群の天女たちをさすようだ。
音楽はやがてピアノが同じような音型を繰り返し、
それにヴァイオリンとフルートがユニゾンで旋律を奏でる。
それが頂点に達すると、音楽は静かになり、
フルートを中心に再びこの作品の中で出てきた主題が再現され、
ヴァイオリンもそれに加わり、最後は静かに消えるように終わる。
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