「庭師と画家の家」の基礎配筋工事が進んでいます。
この建物は、幅3メートル、長さ20メートルの細なが~い住まい。都市の隙間に忍び込むようにして建つ(?)住宅です。細長い建物という点では、京都の町屋のような建物を連想する方もいらっしゃるかもしれません。建物の真ん中に坪庭や光庭がとられたそれらの空間は、とても魅力的です。設計当初はそのような案も練ったのですが、駐車のこと、庭師の資材置場などの問題から、その案は断念せざるを得ませんでした。それでも案を練り続けることを通して、空中に持ち上げられた、南北に抜けるような空間ができあがってきました。
長さ20メートルもの空間を、光と風が通り抜けていく、「光と風を望む楼」。この案は鉄骨造によって可能になりました。最上階の3階に用意された心地よい空間を、空を見上げながら思い描きながら、まずは土を掘り、しっかりと基礎固めの段階です。20センチ角の鉄骨柱を支えるのは、深さ1メートルもの頑強な基礎。そこにベースパックという柱脚をセットし、しっかりと柱を固定します。木造よりもはるかに太く多い鉄筋の数と大きな基礎。それを支えるのは、関東ローム層といわれる頑強な地盤で、通称「赤土」。土を掘る作業をしている現場から「アカでました~」の報告電話をもらうと、ほっとひと安心です。アカが出て喜ぶなんて、普通はヘンな話ですが、地面の中は「クロ」より「アカ」が良いようです(笑)