小さな模型の大きな役割

2010-01-05 10:53:53 | 住宅の仕事

明けましておめでとうございます。今年も、このブログにぜひお付き合いくださいますよう、お願いいたします。

年初めにあたって何を書こうかな~と考えていたら、ふと模型の山が目に入りました。そこで撮ったのがこの一枚。

100105

実はこれ、昨年一年間で案をつくった、いくつかの仕事の模型です。と言っても、クライアントにお見せするプレゼンテーション用のものではなくて、検討用に作った、言わば建築家自身のための模型。だいたい縮尺は1/100で、短時間でサッと作ってしまうのがポイント。おかげで、アップでは見せられないほどの恥ずかしい出来です(笑)。でも、模型を見ながら何かを想像するためのものですから、これでいいのです。

 

ひとつの仕事で、いくつもこういう模型をつくります。何となくいつも気に掛けているのは、次のとおり。

敷地の隅々まで居場所と風景をつくりたいから、敷地までつくる。木も植える。

植えた木が映えるように、背景としての外壁は左官塗り。だから色エンピツでそれらしい色を塗る。なんとなく左官のコテの塗り跡もイメージしつつ。

中味は白。一番いい光がはいる雰囲気をイメージして、壁に穴をあける。穴から覗き込むと、美しい陰翳が宿りそうかどうか、なんとなくわかる。

 

そんな風にして模型をつくると、パッと見には、全部同じような雰囲気の模型に見えます(笑)。そしてどれも窓が少なそうに見えます。(でも、実際に家ができると、じわりと明るい家になるのですが。)

住宅設計の仕事に、正解はありません。だから、何か確かなものを見つけたいという気持ちが、そのまま模型をつくる原動力にもなります。いくつもいくつも作りながら、自分がよいと思えるものをしっかりと見定めていかなくてはなりません。だから設計には時間がかかるし、忍耐力も必要だと思います。その忍耐力と情熱を持続することを、まず今年のはじめに誓いたいと思います。

コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする