美術学校

2013-05-04 23:23:31 | 旅行記

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旅行の時の写真から。

イタリア・フィレンツェの古い歴史地区のど真ん中に、美術学校があります。ファインアートに加え、絵画の修復技術に関する専攻は名門だそうです。絵画修復という分野にはとっても興味と憧れがあって、どんなキャンパスで学んでいるのかなあと、ぜひ訪れてみたい場所でした。フィレンツェに到着して、一番最初に訪れた場所。

いや~。

いい。

こんなところで勉強したい!!と思わず唸ってしまう、そんな引力がこの美術学校のキャンパスにはありました。フィレンツェらしく、初期ルネサンス建築の面影を残す校舎でした。

朝、学生が次々に道具を抱えて登校してきます。1階は中庭に大きく開かれた回廊になっていて、学生が行き交い、会話をしている場所。2階から上は窓が小さ目に抑えられ、抑制の効いた自然光のなかで、学生は静かに作業に集中している様子。

新しい施設ではないし、全体的に古ぼけているのだけれど、何世紀も使われ続け、自分以前の存在の気配を感じながら過ごすのは、とても意義深いことだと思います。

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何世紀もの間に、何ともいえずいい味の残余空間(?)もできていて、そこには大きな彫像が置いてあったり、彫刻科らしい学生が作業をしていたりしています。「なんとか室」という専用のスペースではなく、おのずとそうなっていった場所。そんな場所は、実に生き生きとしています。

モノを生み出したり、モノに向き合ったりするためには、相応の「気分」が必要だと思います。学校のキャンパスはつまるところ、そんな「気分」をいかに高めてくれる場所であるかが、大切なのかもしれません。

この時の旅行のなかで、意外にも、もっとも心の奥底に「効いて」くる体験でした。

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コメント
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