いつも家の設計をするときは、窓辺の空間を大事に設計しています。
内と外のつながりを慈しみ磨きあげるようにして、徐々にデザインが固まっていきます。
「陶芸家の家」のダイニングでは、中庭を囲んで緑が見えるのだけれども、あえて障子を閉めて過ごす時間のことを考えていました。
障子を通した自然光は、光の諧調がとても柔らかくなるように思います。
ダイニングテーブルの上に置かれた作家の器や料理の、その質感と趣きが十分に感じ取れるように。
それを受け止めるダイニングテーブルも、ナラ材の無垢の木でできていて、シェーカー家具のような佇まいです。
そしてそこで過ごす時間が穏やかで安らぎのあるものであるように、という気持ちから、天井はふわりと柔らかいカーブを描いてダイニングを包むようにしました。
ダイニングテーブルが収まるだけのこじんまりした空間ですが、そのぶん落ち着きと親和性が生まれました。
僕がこれまでつくってきた空間のなかでも、とりわけ好きなもののひとつになりました。
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