た・たむ!

言の葉探しに野に出かけたら
         空のあお葉を牛が食む食む

私信

2006年01月16日 | Weblog
 親友と言ってもいい後輩であるS君が結婚することになった。 祝い!

 昔からいい事を言っている。
 「苦労は買ってでもしろ。結婚は耐えてでもしろ」。

 これを婚期を逃した気のする30過ぎの独身男からの痛切なるはなむけの言葉として、

 S君よ、心の奥底に仕舞え。
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強迫観点

2006年01月10日 | Weblog
昨今ノ学者ハ観点ノ違イトイフモノヲ重視シ ソレノ度ガアマリニ過ギタルガメニ

観点ノ違イガ即チ学問デアル ト 誤解シテイル 向キガ アル。

ソノ弊害ハ 一学者ノ 研究方針ニ及ブノミナラズ 広ク社会ノ文化芸術活動ニ及ビ

ぷろっとハ 繰リ返サレザルベカラズトイフ信仰ト

ぷろっとノ払底ガ 即チ ソノ方面ノ文化活動ノ死デアルトイフ

誤ッタ諦念ヲ 蔓延サセタ。

シカシナガラ人間ハ 繰リ返サレルノダ。

文化ガ人間ニ追ヒ付ケナクナッテイル

ソノ複雑ナ理由ノ 特異ナ一端ガ ココニ在ル。




 一月八日、新年会と称して友人と焼肉を突付きながら、彼と私は文学におけるさまざまな主題を語り合った。普段は「文学」という呼称を持ち出すことすら気恥ずかしく思われる年齢にお互いが達している。その席で友人から紹介された思想を、以上に記した。思想家の名前も、その思想の正確な結論部分も、酒の吐息と脂の焦げ付く臭いの中でするりと私の記憶から散逸した。よって多分に私の解釈が混在しているかも知れない。あるいは、かの食わせ者の友人の。 
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石像

2006年01月09日 | 写真とことば
時間に刻み分けられた人間を。

  》石》像》は》彼らのオシリに》》長い尾っぽを》発》見》す》る。

砂時計が音を立てて。

  石》像》は》干》か》ら》びた涙を》》彼らは到底気づかない。

刻み分けられた人間を砕く砂時計。


こうして人間とその影絵だった時間が共に大地に崩れ落ちて石像はひとり見守ったのだ。石像はひとり見守ったのだ。そのことはいつも彼の頭に止まりに来るヒヨドリが得意げに仲間に吹聴して回ったことから確かである。
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正月川

2006年01月02日 | 写真とことば
正月だけに見られる川

というのは存在しないが

正月になぜかじっくりと

初めて見るかのごとく

眺める川は存在する。

当然、正月山も正月空も存在する。

正月軒先も、正月交差点も、

正月野良猫だって存在する。

それが正月の正月らしく

そこはかとなくすごいところである。
コメント (2)
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