夢とうつつを引き裂いてミンミン蝉が鳴いています。
アスファルトが煮えたぎり 人の足元すくいます。
暮れに妻を亡くしました。
死因は一言で言えません。
彼岸花の咲く坂道を
かつてあなたと歩いたこの坂道を
癒(い)エヌ疲労ニ打チヒシガレテ
私は一人歩みます。
身内の遺骸を餌として働きアリが引き摺ります。
日輪は白く燃え盛り 頭上に留まり動きません。
社会に妻を殺されました。
それが隠れた死因です。
彼岸花の咲く坂道を
かつてあなたと歩いたこの坂道を
静カナ怒リニ体ヲ震ワセ
私は一人歩みます。
記憶の重みに耐えかねて繋がれた犬が鳴いています。
車がときおり走り去り むせた臭いを残します。
私が妻を殺しました。
ほとんどそれが真実です。
彼岸花の咲く坂道を
かつてあなたと歩いたこの坂道を
無限ノ悔悟ニ苛(さいな)マレナガラ
私は一人歩みます。
うたと現実の境目を理解できず、
おろおろしている凡人です。
このうたの内容は、ブログ主本人の事なのですか?
ブログ主のご家族は皆、息災ですよね?
私の家族は息災かと問われれば、皆息災です。私自身は、煮干しのような顔つきになりながらもなんとかこの夏を乗り切っています。