※表題が無計画に立てられたように、本文も至って無計画に書き進められます。
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私がいつ死んだかは定かでない。人は自分が生まれた瞬間を意識できないように、自分が死ぬ瞬間も意識できないらしい。人生の二大恐怖を無意識のうちに迎えることができるのは幸いである。生まれるときに頭が働いていたら、私はよっぽど生まれてくるのを止したろう。いや、自分がどんな人生を送るかなんて赤子の自分にはわからないから、ひどい怯えと憂鬱の中でぎゃあぎゃあ泣きながらやっぱり生まれてきたかもしれない。でもこんな不細工な顔に生まれてくることが想像できたら、やっぱり止したかしら。誕生は最初の失敗談である、と世の賢き飲兵衛たちは一杯機嫌で自分の過去を嘲笑する。
しかし今は死んだ私が問題である。呑み助の自嘲が問題なのではない。それどころではないのだ。私は気づいたら、自分の死体を見下ろしていたのだから。
(つづくはず)
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私がいつ死んだかは定かでない。人は自分が生まれた瞬間を意識できないように、自分が死ぬ瞬間も意識できないらしい。人生の二大恐怖を無意識のうちに迎えることができるのは幸いである。生まれるときに頭が働いていたら、私はよっぽど生まれてくるのを止したろう。いや、自分がどんな人生を送るかなんて赤子の自分にはわからないから、ひどい怯えと憂鬱の中でぎゃあぎゃあ泣きながらやっぱり生まれてきたかもしれない。でもこんな不細工な顔に生まれてくることが想像できたら、やっぱり止したかしら。誕生は最初の失敗談である、と世の賢き飲兵衛たちは一杯機嫌で自分の過去を嘲笑する。
しかし今は死んだ私が問題である。呑み助の自嘲が問題なのではない。それどころではないのだ。私は気づいたら、自分の死体を見下ろしていたのだから。
(つづくはず)