た・たむ!

言の葉探しに野に出かけたら
         空のあお葉を牛が食む食む

3月28日

2009年03月28日 | Weblog
いやあはたらいた、はたらいた。

やり残したことは

晩酌のあと ひと風呂浴びての 立ちくらみ。

いやあおつかれさん、おつかれさん。
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3月12日

2009年03月12日 | 俳句
人間や 虫干しの春に 旅の空


──明日から出立。今回は家族の旅。
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竹鶴35年

2009年03月11日 | 食べ物
 とあるバーで。

 借金してでも飲みたい酒があることを知った。あと数滴ほどボトルに残っているのを追加注文しようとしたら、それは予約が入っているので駄目だと言われた。何でも、東京からわざわざその数滴を嗅ぎに松本まで来る人がいるらしい。ほんとか知らん。閉店後マスターが自分で飲みたいだけなのではなかろうか。

 空になったグラスを、未練がましく何度も鼻にあてる。

 35年は、私と同じ歳である。ついでにマスターとも同じ年である。こんな芳しい歳の取り方を我々はしているだろうか、と彼に問うたら、首筋のあたりから、と彼が答えた。首筋のあたりから、おやじ臭がしてますよ、と。

 冗談じゃない。35歳はこんなに若く、深みがあるのだ。こんなに素敵なのだ。よし、何だか元気が出てきた。マスター、お勘定。
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3月8日

2009年03月08日 | Weblog
 仕事に一年の区切りが訪れる。午前中の休日出勤も今日までである。伸びをしてみる。何か物足りない気がしてもう一度伸びをする。奇声も上げる。そうだ。恥ずかしくない。それくらいの努力はしてきたつもりだ。もう一度、今度は歓声を上げる。窓を開ける。青空が一段と高く見える。白い雲に、私のこの一年の評価を尋ねてみる。なあ。なあ。どうだろう。結果はわからんが、ともかくもがんばったんじゃないかなあ。

 まずまずだ、と雲が答える。ちぇっ。雲はいつだってそう答えるのだ。
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3月6日

2009年03月06日 | Weblog
 一本の電話を待つとき、わたしは身を丸める。沈黙した空気に五体が触れるのを忌み嫌うかのように。

 激しさを増す雨が、そんな小さなわたしをあざ笑う。へへへ、さっきから鳴らしているこの雨音こそが、あんたのための呼び出し音だよ。

 わたしは外に飛び出したい衝動に駆られる。

 もちろん、わたしは飛び出さない。私が待っているのは、一本の電話の呼び出し音である。 
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3月4日

2009年03月04日 | Weblog
 青色申告を終了した。例年のように、その場で納税金を叩きつけて(いやもちろんそんな大それたことは小市民の私にはできない。愛想笑いを浮かべながらへいこらと支払ったわけだ)帰ってきた。
 それにしても私は金勘定ができないとつくづく思う。まさに顔色青色申告である。山積するレシートを前に一時は世をはかなんでレシート自殺(たとえばレシートの束を呑み込んで喉を詰まらせるとか)も考えたが、家人の協力もあり何とか申告にこぎつけた。もう二度とやりたくない。古代のように、徴税吏が鞭を鳴らしながら家の前に現れ、地べたに這って許しを乞う私を尻目に米櫃(こめびつ)を運び去っていくほうがずっと楽なのではないかとまで空想する。

 いやいや、そんなことはない。来年もがんばろう。
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3月3日

2009年03月03日 | Weblog

 個人主義の徹底した教育を受けてきたせいか、単に私が臆病なのか、他人に自分が与える影響というものが気になって仕方ない。教育となるとなおさらである。人は人に何が正しいかを教えることなどできない、と古代ギリシャの哲人も確か言っていた。

 窓の外を見ると雪である。今年の春はずいぶん早いと思いながら庭の花壇に水を遣ったのが確か今朝であった。見ている間に、みぞれのような粒はふわりと速度を落としぼたん雪になった。面白いから腕を組んでずっと見ていた。静かな雪である。

 今日ハ「彼」ヲ叱ラナケレバナルマイ。ソレガ私ノ今日ノ仕事ダカラ。
 シカシ叱ルノト、コノ雪ヲタダジット眺メサセルノト
 一体ドチラガマシカ知ラン。
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