自分に足らないものをいろいろ考えるようになった。もっと若い頃から考えなくもなかったが、四十になり、人生も半ばを迎え、そういうことがより明確に見えつつある気がしたからである。
先日の日曜日に近所の高ボッチという山に登った。自分に足らないものとは何か。そんなことを考えるのに、登山ほど適しているものはないと、昔から相場が決まっている。小鳥のさえずりと草木の擦れ合う音しか聞こえない山道を黙々と登れば、心中に巣くう日常の塵芥も取り去られ、より澄んだ目で我が身を省みることができるであろう。自分に足らないものとは何か。その答えは汗を掻き、体を酷使して登り詰めた山頂から見える景色にあるにちがいない。そう思って、リュックに手製のサンドイッチと小瓶のワインを入れ、昼時に登山を開始した。四、五分も歩くと昼食休憩。サンドイッチとワインが旨い。当然のことながら、その後の登りが格段にきつくなった。
あまり使われていない山道のようで、整備が不十分で、思いの外険しい。岐路に出くわすたびに、どちらのルートを取るべきか心もとない。おまけにわずかなアルコールではあるがきちんと体内を回ったらしく、やたら息が切れる。道に迷う恐れを言い訳に、山頂まで三キロ手前付近で断念し、下山することにした。
自分に足らないものとは何か。まずは常識的な判断力。それに体力。まあいろいろ判明した登山ではあった。
先日の日曜日に近所の高ボッチという山に登った。自分に足らないものとは何か。そんなことを考えるのに、登山ほど適しているものはないと、昔から相場が決まっている。小鳥のさえずりと草木の擦れ合う音しか聞こえない山道を黙々と登れば、心中に巣くう日常の塵芥も取り去られ、より澄んだ目で我が身を省みることができるであろう。自分に足らないものとは何か。その答えは汗を掻き、体を酷使して登り詰めた山頂から見える景色にあるにちがいない。そう思って、リュックに手製のサンドイッチと小瓶のワインを入れ、昼時に登山を開始した。四、五分も歩くと昼食休憩。サンドイッチとワインが旨い。当然のことながら、その後の登りが格段にきつくなった。
あまり使われていない山道のようで、整備が不十分で、思いの外険しい。岐路に出くわすたびに、どちらのルートを取るべきか心もとない。おまけにわずかなアルコールではあるがきちんと体内を回ったらしく、やたら息が切れる。道に迷う恐れを言い訳に、山頂まで三キロ手前付近で断念し、下山することにした。
自分に足らないものとは何か。まずは常識的な判断力。それに体力。まあいろいろ判明した登山ではあった。