た・たむ!

言の葉探しに野に出かけたら
         空のあお葉を牛が食む食む

7月23日

2010年07月23日 | Weblog
吸っても炎夏 吐いても炎夏
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7月14日

2010年07月14日 | essay
 病院の待合室からみる雨はメスが並んだように静かである。

 体調が思わしくなく、病院の自動ドアを跨ぐことが多くなった。

 窓越しに紫陽花もみえる。もちろん匂いは届かない。
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一句 7月2日

2010年07月02日 | 俳句
熱の子の 寝顔に映える 雨の跡
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電車 6月30日

2010年07月01日 | essay
 久しぶりの平日休みに、電車に飛び乗る。

 車窓に広がる水田や山並みは夏の色である。水田で作業している夫婦が見える。坂道を自転車で登るおじさんが見える。洗濯物が見える。いつも車で通っている道でさえも、まったく違って見える。
 車内を見渡して見飽きない。偶然に車両を同じくした人々が、それぞれの方向を向いて黙っている。車窓を見つめている婦人は家族のことでも考えているのであろうか。書類に目を落とす若い女は何かに必死である。じっと目を閉じて時間が過ぎるのを待っている、野球帽を目深に被った男の子。そして私。
 電車はなかなか止まらない。目的地もなかなか現れない。

 最近、車の移動ばかりに頼っていたが、やはり電車の旅もいいものだと思う。そこには、時の流れに身を委ねる、という人間の原初的な態度の一つがある。自分でハンドルを握り、表示板の時刻を気にしながら突き進む生き方とは、根本の異なる態度である。

 日常の中で堆積してくるヘドロを一度きれいに除去したい、と思って旅に出たのだが、その目的は、目的地に到達する前にほぼ叶えられた。 
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