た・たむ!

言の葉探しに野に出かけたら
         空のあお葉を牛が食む食む

進化

2013年02月08日 | 断片
 哺乳類の祖先は、鼠のような姿をして、ちょこまかと動き回っていた、という記事を新聞で読んだ。

 恐竜たちは当時、彼らの出現をどう受け止めたであろうか。産む卵産む卵、ことごとく彼らに食べられ、このままでは種族そのものが殲滅されんとした事態にようやく気づいたとき、雄大にして誇り高き恐竜たちは、いかに嘆いたことであろうか。

 ああ、このちっぽけでちょこまかした存在に、我々は絶滅させられるのか。一足で踏みつぶせるような弱小者どもに、この地上の栄華を乗っ取られるのか。面と向かって闘うことをせず、卵を狙うとは卑怯千番。我々は生ある者の中で地上最大の力を有する至高の存在のはず。それでも我々は、彼らに負かされるのか。何と予想外だったことか!

 進化とは、こういう形で進むのか。

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 それから何万年も経て、同じ類の叫びがいずこかから聞こえる可能性はないか。

コメント
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