た・たむ!

言の葉探しに野に出かけたら
         空のあお葉を牛が食む食む

秋の計

2010年11月10日 | うた
開田高原にて速度超過により捕まりしとき詠める歌

盛秋の 山また山に 酔ひしれて アクセル踏み込み サイレンを聞く
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東京

2010年11月04日 | essay
 上京する。久しぶりの東京は縦に圧倒してくる。新宿に降り立ち、私は軽くめまいを覚える。
 旧知の人何人かと再会し、語らいあう。
 夜半に雨。酔い醒ましに、宿を借りた人と、ビニル傘を差しながら深夜営業の牛丼屋に向かう。
 「そりゃ大変だね」と彼は私の近況報告を聞きながら相槌を打つ。
 「大変です」と私は靴の中まで水が浸透してきたのを意識しながら答える。
 近況報告とは、いつも大変なものなのだ。
 「すごい雨だね」
 「構いません」
 構わないどころか、私のスーツは海に浸かったようにびしょ濡れであった。
 それでも私は歩きたかった。一年に一度くらい、圧倒され、語らいあい、びしょ濡れになる必要がある。

 翌日の夕刻になって、ようやく東京にも晴れ間が見えた。ビル街は赤みがかった輝きを取り戻した。私は済ませるべき用件もあり、都内を東奔西走して、くたくたに疲れた後であった。初めて見るように、私は街を眺めた。ああ、自分の中の大変な何かは、すでに少しずつ解決しているんだと、そのときようやく理解した。

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出張より帰る

2010年11月02日 | うた
お土産を 空けてしまえば ただの人
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