た・たむ!

言の葉探しに野に出かけたら
         空のあお葉を牛が食む食む

東山食堂前のベンチにて一句

2014年08月27日 | 俳句


秋雨を 眺むる三人(みたり)の アイスかな
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祭り ~松本サマーフェスト~

2014年08月25日 | essay
 松本サマーフェストに出向く。屋外でドイツビールを飲むというただそれだけの祭りだが、開放的な雰囲気が気に入って、今年でもう四年連続の参加となる。参加と言っても、繰り返しになるが、ビールを飲むだけである。ビールを飲みながら、特設舞台で人が歌うのを聴く。ビールに飽きたらカクテルやワインをはしごして、やっぱり飲み続ける。飲みながらときどき舞台を見る。周りも見渡す。どれもこれもご機嫌な顔である。外国人もいる。家族連れもいる。小さな子供たちは噴水で水を浴びてはしゃいでいる。ビールを浴びた大人たちも、これまた同様にはしゃいでいる。実に平和な風景である。気がつけば、昼前に入って日が落ちるまで飲んでいた。感動的な歌声のコーラスグループが舞台に出てきたので、じっくり耳を傾けてから、それが歌い終わるのを潮にようやく腰を上げる。

 仕事柄、地域の祭りにはなかなか参加できないでいる。松本サマーフェストは、いつの間にか、自分にとっての大きな祭りの一つになった。現代は祭りを個人が選べる時代である。贅沢なことである。それでいいのかどうかは、すっかり酔いの回った頭では、よくわからなかった。
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キャンプ

2014年08月14日 | essay
 木曽にキャンプに行く。国道から田舎道に折れ、田舎道がいつしか山道となり、山道が急速に細く険しくなった先に、そのキャンプ場はある。荷物を解いて折り畳み椅子に腰掛けると、足元からはせせらぎの音が、頭上に茂る木立からは鳥のさえずりが聞こえてくる。まことに野趣溢れるキャンプ場である。その片隅には売店があり、自動販売機があり、釣り堀まである。興ざめだと言いたいところだが、結局それらを活用して大助かりするのが現代人の悲しい性である。現代の野趣には、釣り堀もシャワー室も欠かせないのだ。

 シュラフにくるまって寝た翌朝は雨になった。折り畳み椅子に腰掛けて、雨を眺める。霧が立ちこめる。緑はいよいよ緑になる。一晩夜気に当たった薪は容易に着火しなかったが、一旦黄色い炎を上げると、今度は雨に打たれてもなかなか消えようとしなかった。
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