先日、家族スキーに行ったら、大雨にたたられた。家族スキーなので、予定を変更すると言うわけにはなかなかいかない。全身に雨滴を浴び、震えながらリフトに乗っていると、これを山中の猿や鹿が見かけたら、さぞかし人間とは滑稽な生き物だと思うだろうなあ、と想像した。天気のいい時でさえ、餌もない山肌を登っては滑り降り、登っては滑り降りして何が楽しいんだ、と思っていたところが、雨の日までそんな非生産的な行為をして喜んでいるのだから、人間とはよっぽど物好きな種族に違いない・・・・そんな獣たちの内なる声を連想していると、けらけら笑う声が聞こえてきた。さては獣たち? よく耳を澄ますと、前のリフトに息子と乗っている妻の笑い声である。彼女は二季ぶりのスキーなので、この雨の中でも「けっこう楽しい」と豪語した。
二三度滑り降りてから、全員一致で下山し、温泉街へ直行。一時間ばかりもゆったりと湯に浸る。妻子は二人とも上機嫌である。
人間はよっぽど物好きな種族だが、要は楽しむことに貪欲なのだろう。万事は気の持ちよう。「雨ならば 雨を楽しむ 秋簾(すだれ)」という誰かの句を思い出した。ただし季節はもう、春。
二三度滑り降りてから、全員一致で下山し、温泉街へ直行。一時間ばかりもゆったりと湯に浸る。妻子は二人とも上機嫌である。
人間はよっぽど物好きな種族だが、要は楽しむことに貪欲なのだろう。万事は気の持ちよう。「雨ならば 雨を楽しむ 秋簾(すだれ)」という誰かの句を思い出した。ただし季節はもう、春。