peaの植物図鑑

草や木の花や木の実(果実)、特に山野草が好きで、デジカメを持ち歩いて撮っています。2024年3月、85歳になります。

一関市室根山のトモエシオガマ(巴塩竃)

2006年09月05日 | Weblog




9/3(日)、一関市の大東町、千厩町、室根町の3町にまたがる標高895.4mの室根山の頂上付近の遊歩道を歩いていて、「トモエシオガマ(巴塩竃)」が咲いているのを見つけました。倒れた状態で花を沢山つけていました。






トモエシオガマ(巴塩竃)ゴマノハグサ科 シオガマギク属 Pedicularis resupinata
var.caespitosa
本州の中部地方以北の亜高山から高山にかけての草地に生える多年草で、「シオガマギク(塩竃菊)」の変異種。茎はほとんど枝分かれせず、高さは30~60cmほどになる。葉は茎の下部では対生、上部では互生し、長さ4~9cm、幅1~2cmの狭卵形で、縁には形の揃った重鋸歯がある。

 8~9月、茎の上部に紅紫色の花を横向きにつける。花は長さ2cmほどで、上下2唇に分かれている。上唇は兜(かぶと)のような形で、先端はくちばし状に尖っている。下唇は横に広がり、浅く3つに切れ込んでいる。シオガマギクの花が茎に点々とついているのに対し、花と花の間がつまっていて、しかも花がねじれているので、上から見ると巴状に見える。葉の幅はシオガマギクよりやや広い。

「塩竃」は、海水を煮つめて塩をつくるためのカマド(竈)のこと。「塩竃」は「浜で美しい」ということから、「葉まで美しい」にかけた名前といわれている。

なお、この仲間は世界に約500種、日本に15種あり、高山性の「ヨツバシオガマ」、「タカネシオガマ」、花が白色の「エゾシオガマ」などが良く知られている。

一関市室根山のハンゴンソウ(反魂草)

2006年09月05日 | Weblog




9/3(日)、一関市大東町大原に鹿踊(ししおどり)を見に行ったついでに、室根山まで足をのばしました。室根山は、北上山地の南東端に位置し、大東町、千厩町、室根町の3町にまたがる標高895.4mの独立峰。昔、桔梗山、卯辰山、鬼首山などとも呼ばれたそうです。室根神社が建立された養老2年(718年)に牟婁峯(むろね)山と改められ、藤原秀衡の時代に室根山に改められたといわれています。

 この山は国民休養地や県立自然公園に指定されていますので、山頂まで自動車道路が整備されていて、ドライブコースとしても親しまれています。「標高540m」と書かれた立て札が立てられていた付近に「ハンゴンソウ(反魂草)」が群生していました。蝶や蜂も蜜を吸いに来ていました。







ハンゴンソウ(反魂草)キク科 キオン属 Senecio cannabifolius
山地のやや湿り気のある草地や林の縁に生える大形の多年草で、高さは小さいもので1m、大きいものは2mほどになる。葉を切ると独特の匂いがする。

 7~9月、直立した茎の先端に散房状に黄色の花をつける。1個の花は黄色で直径約2cm、花弁に見えるのは舌状花で5~7個ある。アサ(麻)に似た葉は長さ10~20cmで、羽状に深く3~7裂し、裏に縮れた毛がある。

 春先に出る紫がかった若芽は、摘むとゴボウに似た強い香りがあり、あく抜きして食用にするという。

 花のつき方や大きさは同じキオン属の「キオン(黄苑)」と似ているが、葉が羽状に深く切れ込んでいるので区別できる。葉の裂片は細長く、先端は鋭く尖る。(よく似たキオンの葉は、浅い鋸歯がある。)

 分布:北海道、本州(中部地方以北)。なお、「キオン(黄苑)」という和名は、薄紫色の「シオン(紫苑)」の黄色版という意味でついた名。