暇に任せてamazonを散歩していると、またトラップに引っかかってしまった。今回は、ウェザー・リポートのCD「Mr GONE」(ゴーン社長ではない)と、ドナルド.シーゲルのDVD「突撃隊」だった。ウェザー・リポートはレコードのみだったので、見たらCDがほしくなってしまったのだ。ちょっと安いとついつい、のパターンだ。もう一つのDVDは、これも安いというのがあるが、ドナルド.シーゲルの未見の映画だったので。ドンの映画じゃあ、どうしても食指が動いてしまうというものだ。しかもこの映画、スティーブ・マックイーンが出ている。
1961年のこの作品の舞台は、第二次大戦下のフランス。前線で孤立する兵士の悲劇的な姿を描いているのだが、ニヒルなスティーブ・マックイーンがかなり魅力的だ。この二年後同じ戦争映画の「大脱走」に出演するのだが、あれが表の顔とするならばこれが裏の顔。「大脱走」でもスティーブ・マックイーンの魅力は充分発揮されていると思うが、どちらがより印象的かと言えば、断然こちらの「突撃隊」のスティーブ・マックイーンである、と元々ファンでもない人間は思った。
映画前半は、何とも地味で、戦闘があるわけでもなくそれぞれの兵士の人間像を描くことに重点が置かれている。その一員に「ジェームズ.コバーン」もいた。彼も「大脱走」にひょうひょうとした役で出ていたが、この映画でもそれに近いキャラクターであった。というより殆んど同じか。「大脱走」の監督、間違いなくこの映画を見ている、と見た。で、そんな地味な前半から、一気に前線での過酷な戦いに映画は突入する。夜の場面が多いのだが、普通だと見えるように工夫するのだが、一切お構いなく暗い画面には火花が飛び散り、敵兵のそれらに照らされた姿がストップモーションのように映し出される。見えない分、迫力も倍増だ。こんな戦闘場面初めて見た。ドン.シーゲル恐るべしだ。
後、主人公というほどの人物がいないのもこの映画の特徴である。のちの大スター、スティーブ・マックイーンも決して主役という位置づけではない。その点でもかなりユニークな映画と言える。終わり方も唐突だし、一般的な娯楽戦争映画を期待した人は席を蹴るかもしれない。この前のアルドリッチの「攻撃」といいい、今回の「突撃隊」、低予算ではあるが質の高い戦争映画が作られていたという事実を知ることが出来たという意味では、アマゾン散歩も無駄ではなかった、かな?