ロンドンへ行ってポールのサインをもらい、ニューヨークのダコタハウスの前(ジョンが撃たれた場所)でジョンのサインをもらったという筋金入りのビートルズマニアから、映画「マジカルミステリーツアー」のDVDを借りた。この映画、大してビートルズに興味のない頃、たまたまテレビでやっていたものを観て、何だこの変な映画はと思ったことは良く覚えていた。階段を脱力的な踊りで下りるシーンとか、部分部分で何故か記憶に焼きついていて、どうしてももう一回じっくり観たいと思っていたのだ。ところが、他の映画はレンタルとか無料動画で観られるのだが、これだけはなかなか観る機会がなかったのだ。それが流石ビートルズマニア、しっかり全てを押さえていたのだ。で、やっと観ることができた。
映画は、マジカルミステリーツアー(バスツアー)というツアーに参加した連中が行った先々でいろんなことに巻き込まれるという、謂わばロードムーヴィー的ミュージックヴィデオなのだが、その脈絡のなさが変な映画という印象を与えるようだ。現場で、ちょっと面白いからやってみよう程度の乗り(悪ふざけ)で作っているのが分かる適当さで、モンティパイソン的センスを感じさせる部分もあるが、下手をすると、映画学校の生徒が作った自主映画的世界にも見える、はっきり言って完成度は高くない作品だったが、ビートルズが好きな人にとっては十分魅力的な作品だ。
そして初めて知った事実が。「ボンゾ.ドッグ.ドゥー.ダー.バンド」がこの映画に出演していたのだ。何かそれっぽい曲がかかり、似てる、と思ってエンドロールで確認するとその名前があったのだ。こういう場合は小さくガッツポーズ。昔の映画は今観ると、思わぬ発見があって面白い。