ピカビア通信

アート、食べ物、音楽、映画、写真などについての雑記。

ジェラール.ドパルデューについて

2013年01月08日 | Weblog

 

フランスの有名な俳優、ジェラール.ドパルデューがロシア国籍を取得したというニュースを聞いたときは何故にと思ったのだが、その理由を聞くと、なるほどねと納得する。彼はそもそも俳優というより実業家としての面が今は強いようで、フランス国内の富裕層に課せられそうな税率75パーセント(確かに高いが)を回避するために税の低いロシアに逃げた(とフランス国内では思われているだろう)だけのことだったのだ。実際、ロシアの民主主義はすばらしいなどと言ってるところを見れば、益々そう確信する。それだけ稼いでいるのなら少しは社会に還元すればいいのに、と思うような人は多分富裕層には一生なれない人たちなのだろう(自分も含め)。これは富裕層の典型的な行動形態なのである。

彼らは、自分の稼いだ金は、一銭も失いたくない。兎に角増えれば増えるだけ嬉しくなる人種なので、世の中のために役立てようなどと言う発想はそもそもないのである。使うのは、飽くまでも自分の快楽のためだけ。彼らの言い分には、怠惰な人間のために何故自分の金を出さないといけないのかというのもある(一理ある)。そして、自分で稼いだ金について他人がとやかく言うのはおかしいとなるわけだが、それは確かにその通りで、今の世の中の制度の範疇であれば問題ない行為なのだ。が、セコイやつだと思われるのも仕方ない。そういう行為がセコイのだからそう言うしかない。資本主義の行きつく先はこういう人間を次から次と生む世界(これを経済の活性化と言う)だと思うが、そんな資本主義的価値観ばかりではない対極的価値観(そういう行為をセコイと思う)が生まれるかどうかは、結局その国の文化の豊かさにかかってるのだろう。

ついでに、ブリジット.バルドーもロシア国籍取得を申請しているらしいが、これはフランス国内の象殺処分に抗議してのことらしい。相変わらずの動物愛護原理主義で、こっちは勝手にすればという類のニュースであった。

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