ピカビア通信

アート、食べ物、音楽、映画、写真などについての雑記。

二重人格ハウス

2010年11月13日 | トマソン

 

 

とある名もなき通りを歩いていると(これからお決まりのフレーズになる予感が)、前方になにやら怪しい建物の姿が(これも)。種類で言えば小屋系か。ブルー(やや緑が入っている)で塗った波板トタンの、ここらでは(松本)よく見かける建築様式(という程のものかどうか)。近付くと、怪しさの正体が判明した。その波板のブルーは、微妙にグラデーションがかかっていたのだ。或いはぼかしか?フムフム、なかなか見応えがある、と裏にまわってみる。

 

 

と、これがまた吃驚。想像だにしない顔を持っていたのだ。まさか、「蔦の街」松本の蔦力がここまで及んでいるとは。おみそれしました。

 

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Mr GONE.突撃隊

2010年11月12日 | 映画

 

 

暇に任せてamazonを散歩していると、またトラップに引っかかってしまった。今回は、ウェザー・リポートのCD「Mr GONE」(ゴーン社長ではない)と、ドナルド.シーゲルのDVD「突撃隊」だった。ウェザー・リポートはレコードのみだったので、見たらCDがほしくなってしまったのだ。ちょっと安いとついつい、のパターンだ。もう一つのDVDは、これも安いというのがあるが、ドナルド.シーゲルの未見の映画だったので。ドンの映画じゃあ、どうしても食指が動いてしまうというものだ。しかもこの映画、スティーブ・マックイーンが出ている。

1961年のこの作品の舞台は、第二次大戦下のフランス。前線で孤立する兵士の悲劇的な姿を描いているのだが、ニヒルなスティーブ・マックイーンがかなり魅力的だ。この二年後同じ戦争映画の「大脱走」に出演するのだが、あれが表の顔とするならばこれが裏の顔。「大脱走」でもスティーブ・マックイーンの魅力は充分発揮されていると思うが、どちらがより印象的かと言えば、断然こちらの「突撃隊」のスティーブ・マックイーンである、と元々ファンでもない人間は思った。

映画前半は、何とも地味で、戦闘があるわけでもなくそれぞれの兵士の人間像を描くことに重点が置かれている。その一員に「ジェームズ.コバーン」もいた。彼も「大脱走」にひょうひょうとした役で出ていたが、この映画でもそれに近いキャラクターであった。というより殆んど同じか。「大脱走」の監督、間違いなくこの映画を見ている、と見た。で、そんな地味な前半から、一気に前線での過酷な戦いに映画は突入する。夜の場面が多いのだが、普通だと見えるように工夫するのだが、一切お構いなく暗い画面には火花が飛び散り、敵兵のそれらに照らされた姿がストップモーションのように映し出される。見えない分、迫力も倍増だ。こんな戦闘場面初めて見た。ドン.シーゲル恐るべしだ。

後、主人公というほどの人物がいないのもこの映画の特徴である。のちの大スター、スティーブ・マックイーンも決して主役という位置づけではない。その点でもかなりユニークな映画と言える。終わり方も唐突だし、一般的な娯楽戦争映画を期待した人は席を蹴るかもしれない。この前のアルドリッチの「攻撃」といいい、今回の「突撃隊」、低予算ではあるが質の高い戦争映画が作られていたという事実を知ることが出来たという意味では、アマゾン散歩も無駄ではなかった、かな?

 

 

 

 

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長い家

2010年11月11日 | トマソン

 

 

いつものように、名もなき通りをぶらついていると、遠くの方に、見るからに怪しい壁が視界に入った。近付くに連れ、その怪しさは確かなものとなる。まず目につくのはこの汚さ。それと圧倒的な壁の面積。ただ者ではない雰囲気を周囲にまき散らしている。一体何者だ。

 

 

特に気になるのはこの部分、一体何だ

 

 

では、表を見てみよう

 

 

ん?これが表の顔?これだけ?ということは物凄い胴長?

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芸術の秋 ゴッホ?

2010年11月09日 | 芸術

 

 

テレビで、今東京の国立新美術館で行われている「ゴッホ展」に絡めて、日本人のゴッホ好きを取り上げていた。何でも、ゴッホ展は、世界の中でも圧倒的に日本が多いらしい。一番高いのを落札したのも日本の保険会社だし、どうやら日本人のゴッホ好きは間違いないようだ。何故そうなったのかというのも分析していたが、それはまあテレビなのであまり当てにならない。

印象派は特にそうだが、この手の展覧会はいつも凄い人出だ。自然の風景の印象をそのまま描いた、とまず理屈として納得して見られる安心感が印象派にはあるのだろう。そしてそれが絵を見るという、少々高尚と思われる行為の垣根を低くしている、ように思える。秋の枯れ葉が散る風景は、葉っぱ一枚一枚が、まるで点描のそのものだ、何て感じる日本人は多いのではないだろうか。この辺は、四季の映ろいを楽しむ日本人の自然観が(あるという前提で)、境界を曖昧にする印象派の手法と合致していると言えそうだ。つまり、手法からして元々印象派は日本人に合っていたのだ。

ゴッホに関してはどうなのだろう。個人的にはゴーギャンの方が好きだったので、あまりピンと来ないのだが、作品そのものはそれなりに良いとは思う。見に行きたいかというとそれはないが、アルルの「夜のカフェ」のモデルのカフェが今でも同じようにあるのを見ると、そのまんまやないか、というある種の興奮を覚える。じゃあ、記念にちょっとカフェの一杯でもという気にはなる(しなかったが)。

というのは、全く日本人のゴッホ人気と関係ないが、人気に関係するのは絵そのものというより(絵は絵で、ゴッホの情熱がそのまま筆遣いに表れている、何て説明されると納得しちゃうの世界ですが)、ゴッホの生き方なのではないだろうか。極貧生活で、ゴーギャンとの確執、そして悲劇的な最期、その後認められるという貧乏物語が日本人の心にぐっと訴えるように思うのだ。山中貞雄の「人情紙風船」や溝口健二の「西鶴一代女」が強く支持されているように、この手の物語は日本人の感性を心地良く刺激するのである、と如何にもな結論で納得する人は一体どれほどいるのでせうか。

 

 

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片目のジャック型無用庇

2010年11月08日 | トマソン

 

 

この時期の最低気温零度は身にこたえる。掛け布団がどうも短いようで、足元が寒くてかないません。

ということで、ちょっと珍しい物件を一つ。昔からある建物故、馴染みすぎて却って見過ごしてしまう、の典型的なもの。い仕事をしているので、元々こうだったのでは、と思わせる力があるのだ。半分無用庇、或いは無用窓というのが本日の物件。名付けて「片目のジャック型無用庇」。マーロン・ブランドも吃驚だ(分かる人も少ないだろうが)。写真でも判るように、質感がいやにいいのである。それによく見れば、隣には無用階段、のようなものまである。となると、隣の塗りつぶしの部分は無用門なのかもしれない。これはもう無用の三段攻めである。が、しかし、そう言い切るほどには綺麗に保存されてないところがちょっと残念なのである。実に惜しいい物件だ、が、味があるから良しとしよう。

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瀕死のトンボ

2010年11月07日 | 生き物 自然


前夜、風呂場の脱衣所に、イトトンボが落ちていた。この時期にどうした、とてっきり死んでいるものと思いつまみ上げると、微かに動いた。しかし、その動きに勢いはない。断末魔のもがきかとつまんで、取り敢えず暖かい部屋に持ってきて観察する。やがて、動きはやや活発になるが、どうも首が曲がったまま元に戻らない状態であるようだ。更に仔細に観察せねばと、天眼鏡で見てみると、全てが判明した。蜘蛛の巣が絡んで、足と首が動かせない状態になっていたのだ。早速その蜘蛛の巣を除去する。すると、一気に元気になった。そこで庭の適当なところに止まらせ、あとは自然に任せることにした。こんな寒い時期に生きてるトンボは「オツネントンボ」(4月5日の写真)ぐらいしか考えられない。実際そうだったが、きっと、越年するための場所(室内の網戸などに見つかることがある)を探して蜘蛛の巣に引っかかってしまったのだろう。これから無事に冬を越すのは何割くらいだろう、とつい考えてしまうようなオツネントンボの救出劇であった。

写真:辛うじて隣のビルに支えられている今にも崩れそうな家。

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キャベツとブロッコリーのパスタ

2010年11月06日 | 食べ物


畑で採れた、キャベツ、ブロッコリー、にんにくを使って「キャベツとブロッコリーのパスタ」を作る。元元はキャベツとアンチョビのパスタであるが、折角自家製ブロッコリーがあるのでそれも投入しての「キャベツとブロッコリーのパスタ」である。ついでに、自家製ジェノベーゼソース(松の実の代わりにくるみを使った)もあったのでそれも投入。これは、そろそろ賞味期限が来そうなので使わなければという事情があったのだ。自家製だけに、表面が直ぐに茶色くなって見かけは不味そうだが、味は大して変わらない。更に、余計な物は入ってないので安心だが、黴には注意だ。

野菜とパスタ(フェデリーニ)を一緒にゆで、別にフライパンでにんにくとアンチョビ(ペースト)を炒めて合わせるだけの(今回はそこにジェノベーゼソースも)簡単なものだが、最近感じるのは、パスタは簡単なものほど美味いということだ。ただ調理は簡単でも、その分、それぞれの素材、使う量、タイミングと微妙なものが出来に大きく影響するという、簡単故逆に難しいという逆説的状況が新たに生じる。すべてが揃ったときは本当に美味いと思うが、ちょっと茹で過ぎ、オイルが多すぎなど、そんなことがちょくちょく起きるのが素人の悲しさである。で、今回のパスタは、塩気が少々足らないというのがあったが、まあまあ美味いというものだった。キャベツのぎゅっと詰まった芯の部分が結構美味い。

写真は、パスタとは全く関係ない、「塀に型押しする木」である。
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松本犬物語

2010年11月05日 | Weblog

紅葉も美しい蔦の街、松本では



折しも、お祭りが開催されていました



特設ステージでは子供達のダンスが披露されたり



テクノカットの子供を連れたインド人親子は、屋台を楽しみ



そして、グレート・ピレニーズの視線の先には



こんなものや



甲斐犬の視線の先には



こんなものが展開されていました



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カフェの風景

2010年11月04日 | Weblog


ある昼下がりのフレンチカフェ。

60代の外人二人。ハラミステーキと赤ワインのキャラフ。一人は、外人には珍しく、一杯飲んだだけで顔が真っ赤で、すっかりおつかれ状態となってしまった。

三人家族。男の子は小学五六年。この店には珍しい年代、観光客か?緊張の面持ちで最後まで行儀よく食べていたが、決して楽しそうではなかった。

四人グループ。その内三人は外人。三人の内の一人はアジア系で、フィリピーナ風、彼女だけは日本語もペラペラ。メニューを決めるときに、「鰺のポワレ」のポワレの意味が分からなくて盛んに店の人に聞くが、店の店員さんがこれまた適切に答えられず、フライパンで焼いたものですとか言っているが、ソテーと答えれば済むのに、とそのやりとりを聞いていて思った。それより、20代後半から30代前半と思しき女子グループの誰もポワレを知らないことに驚いた。日本人とアメリカ人の組み合わせのようだったが、一般的アメリカじゃあこんなものなのだろうか。

と、いろんな人間を観察するのもカフェでの楽しみであります。
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御柱の今

2010年11月02日 | Weblog


昨日の記事の中で登場した、ゲロゲロ少年Yの最近お気に入りの居酒屋「しづか」(ずではなくづだった)、たまたま見た昨日の夜のローカル番組で紹介されていた(こういうのは、偶然日記に登録しておくべきか)。画面を通して初めて店内を見たが、大衆食堂メニューなどと書いた昨日の内容からは想像できない、ちょっと重厚な雰囲気の店だった。松本民芸家具を使った、風格ある郷土料理屋といった風情で、普通の居酒屋の雰囲気とも違っていた。しかし、値段は居酒屋値段。人気があるのも頷けるというものだ(人気があるという前提での話だが)。少なくとも、旅行者にとっては嬉しい店だろう。と、行ったこともないのに語るのも限界があるので、今度ナポリタン定食とおでんでも食べに行ってみようかと思っている。

ところで、未だに諏訪地方では、御柱の小宮祭がどこかしらで行われている。流石にそろそろ終了だろうが、それらの御柱が建てられると、本日の写真のような光景がいろんなところで見られるようになる。知らない人が見ると、一体これは何だということになるだろう。参考までに次の写真は、映像でよく流される諏訪大社の木落しの一番大きな御柱の今の姿。


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Yの昼酒

2010年11月01日 | Weblog


一ヶ月ぶりにゲロゲロ少年Y登場。話題は日本代表のサッカー。
「ザック、どうですか?これでもう、ベストフォーも夢じゃないですよ」(Y)
「また、相変わらずの先走りだね、ちょっとアルゼンチンに勝っちゃたもんだから」(私)
「あのアルゼンチンにですよ!メッシですよ!テベスですよ!シメオネですよ!」(Y)
「シメオネは違うでしょ、クリオネか?」(私)
「まあ兎に角、アルゼンチンに勝ったという事実は揺ぎ無いです」(Y)
「でも、親善試合だよ?」(私)
「何言ってるんですか!親善試合だって今まで勝ったことがないんですよ!」(Y)
「分かった分かった、確かに記念すべき初勝利だったよ」(私)
「しかし、ザック拾い物じゃないですか」(Y)
「前、日本には合ってるかもって言ったでしょ、でもまだまだこれからだよ、評価が決まるのは」(私)
「もう、期待しちゃいますよ」(Y)
「くれぐれも期待過多にならないようにね」(私)

話題はお気に入りの松本の居酒屋の話に。
「ここんところ、<しずか>によく行きます」(Y)
「クリヨードヴァンは?」(私)
「最近は夜に弱くて、昼間っから飲めるところがいいんですよ」(Y)
「クリヨードヴァンだって飲めるよ」(私)
「今はテラスは寒いし、前みたいな雰囲気じゃないし」(Y)
「まあ、確かに」(私)
「で、<しずか>は居酒屋なんですけど昼から通しでやってるからいいんですよ、メニューも多いし安いしで」(Y)
「そりゃあ良かったね」(私)
「昼は定食やってて、ナポリタン定食なんてやつもありますよ」(Y)
「へえー、ナポリタンねえ、たまに食べたくなるけど」(私)
「ラーメン定食なんてものも、それに売りのおでん定食も」(Y)
「なんだか昔の大衆食堂みたいだね」(私)
「居酒屋としては結構有名ですけど、お昼は確かに大衆食堂的メニューかも知れないです、この前なんかボトルで五一ワインまで飲んじゃいましたよ」(Y)
「また、ゲロゲロじゃないだろうね?」(私)
「それだけは気をつけてますよ」(Y)

と、相変わらずのYの、お昼からの酒飲み話であった。
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