ぴかりんの頭の中味

主に食べ歩きの記録。北海道室蘭市在住。

【鑑】ガイヤー・ヘニング・ブローテン アンネ・フェルバルグ ジョイント・リサイタル

2007年06月27日 22時07分13秒 | 鑑賞記録
ガイヤー・ヘニング・ブローテン(ピアノ) アンネ・フェルバルグ(メゾ・ソプラノ) ジョイント・リサイタル
「グリーグ2007記念プロジェクト」参加公演
2007.6.26(火)17:00開演, 室蘭市市民会館, 入場料3000円(全席自由)

■エドヴァルド・グリーグ(1843-1907)
「挨拶」(ハインリヒ・ハイネ詞)Op.48-1
「白鳥」(ヘンリク・イプセン詞)Op.25-2
「さくら草を手に」(ヨン・パウルセン詞)Op.26-4
「薔薇の季節に」(ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ詞)Op.48-5


『抒情小品集』より
「子守唄」Op.38-1
「蝶々」Op.43-1
「羊飼いの少年」Op.54-1
「ガーデ」Op.57-2


「きみを愛す」(ハンス・クリスチャン・アンデルセン詞)Op.5-3
「希望」(ヨン・パウルセン詞)Op.26-1
「睡蓮に寄せて」(ヘンリク・イプセン詞)Op.25-4
「ソルヴェイグの歌」(ヘンリク・イプセン詞)Op.23-1


『抒情小品集』より
「小川」Op.62-4
「あなたのそばに」Op.68-3
「森の静けさ」Op.71-4
「ハリング(ノルウェー舞曲)」Op.71-5


―休憩―

■シャルル・ヴァランタン・アルカン(1813~1888)
「戦場の太鼓」Op.50bis
「舟歌」Op.65-6
「前奏曲」Op.31-14

■ジャン・シベリウス(1865~1957)
「はじめての口づけ」(ユハナ・ルドヴィ・ルネベリ詞)Op.37-1
「逢引から帰った乙女」(ユハナ・ルウドヴィ・ルネベリ詞)Op.37-5
「春はいそぎゆく」(ユハナ・ルドヴィ・ルネベリ詞)Op.13-4
「黒い薔薇」(エルンスト・ヨーセフソン詞)Op.36-1

■ルイ・モロー・ゴットシャルク(1829~1869)
「子守唄」Op.47
■フェルッチョ・ブゾーニ(1866~1924)
「カルメン」よるソナチネ、ビゼーの「カルメン」に基づく室内幻想曲Kind.284
■ハビエル・モンサルヴァージェ(1912~2002)
「五つの黒人の歌」
1.ピアノのなかのキューバ(ラファエル・アルベルティ詞)
2.ハバナの小唄(ネストル・ルハン詞)
3.ドスが自慢の伊達者(ニコラス・キジェン詞)
4.黒人の子守唄(イルデフォンソ・ペレーダ・バルデス詞)
5.黒人の歌(ニコラス・キジェン詞)

アンコール1.ビゼー カルメンよりハバネラ
アンコール2.???(ワルツ、有名な曲っぽい、映画音楽?)


※詞の表記がない曲は、ブローテンの独奏となります。

・室蘭市民オケの客演指揮をしている菊地先生のつてにより実現した演奏会。東京、新潟を回ったあとの最終公演。ブローテン氏(写真)は一昨年に続いて二度目の室蘭で、今回はメゾ・ソプラノ歌手の奥様を伴っての来蘭でした。前回は都合が悪かったのか(記憶にない)聴きに行けなかったので、私にとってはお初です。
・グリーグ:主催者代表として菊地先生のちょっとした挨拶と解説に続いて演奏開始。今年は没後100年でグリーグイヤーなのだそうです。演奏会を通して知っている曲は「ソルヴェイグの歌」くらい(「カルメン」を知っていると言えなくもないが)。3曲目あたりから気持ちよ~く寝てしまいました。うつらうつらすることしばし。曲、拍手、曲、拍手・・・あ~なんか聴いたこと曲だ~ と、次の曲「小川」で(゜Д゜)ハッ!と目が覚めた。それまでとはピアノの音色がうって変わり、突如として雄弁に語りだしました。いかにも「小川」っぽいキラキラして滑らかなアルペジオ。ブローテン氏お気に入りなのか、単なるこちらの気のせいか。ピアノに引き込まれここから休憩までは寝ずに聴いてました。
・後半もマニアックな曲は続く。再び眠りの世界へ…… アルカン、一曲目はちょっとおもろかった。シベリウスの歌曲て! そんなのあったのか。作曲家名を伏せられたらちょっとわからない感じ。ゴットシャルク、まっったく知らない。ブゾーニ、組曲1曲目の前奏曲が最後にくるとは。曲調から見てもいわゆる "冗談音楽"? と、「五つの黒人の歌」まできたところで、歌手の奥様の様子が豹変。プログラムについていた歌詞の対訳をちょっと見てもらうと、雰囲気分かっていただけるかと思います。「逢い引きから帰った乙女」より「…ある日彼女は手を赤くして家に帰った なぜなら恋人の両手にはさまれて赤くなったから ある日彼女は唇を赤くして家に帰った なぜなら恋人の唇の下で赤くなったから さいごに彼女は青ざめた頬で家に帰った なぜなら恋人の不実によって青ざめたから」、次に「黒人の歌」より「…黒人は酔っぱらっちゃ歌ってる ママドンバ セレンベ クセレンバ! 黒人は歌っちゃ行っちまう アクエメメ セレンボ アエー! ヤンバンボ アエー ヤンバンベ アオー タンバ、タンバ、タンバで黒人はでんぐり返る…」。個人的には後者の方が断然おもしろかったです。
・アンコールは先日弾いたばかりのハバネラ。なんともタイムリー。ノリノリの雰囲気のうちに演奏会は終了。最後は舞台上で二人でチュー。ガイジンさんだから「微笑ましい」と思えるけれど、日本人同士だったら絶対ヒクなぁ。西洋との国民性の大きな隔たりを感じた一瞬でした。
・ドイツ語、ノルウェー語(グリーグ)→スウェーデン語(シベリウス)→スペイン語?(モンサルヴァージェ)→フランス語(ビゼー)と、よくこれだけ使い分けれるものだと感心します。歌をやる人にとってはどこの国でも当たり前の事かもしれませんが。
・10分の休憩含め2時間強に渡るてんこ盛りの内容でお腹いっぱい。小さく色彩豊かな曲がそろっていて、「音楽の絵本」とでも題したくなるような演奏会でした。ただ、田舎な10万都市でやるにはちょっとマニアックだったかもしれません。
・今年の12/9(日)に室蘭市民オケの定演でブローテン氏と共演予定です。曲はグリーグのピアノ協奏曲。各地で腐るほど弾かれ、また私自身何度伴奏弾いたか分からないこの曲を、北欧(ノルウェー)出身の氏がどのように弾いてくれるのか、今から楽しみです。
・客数約200名[目測]:座席数約500の会場にしては寂しい数ですが、内容とチケット価格からするとよく入った方だと思います。地元なだけに前後左右知り合いだらけ。
コメント (2)
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