アンサンブル・ド・ミューズ ニュースレター

レッスンの事、日々の出来事などいろいろと…。

2冊…いや3冊…♪

2017-07-19 16:25:02 | Weblog
『緋の天空』『明治・妖モダン』、読み終わりました
まず『緋の天空』
東大寺大仏の開眼供養の日から物語の幕があく。
聖武太上天皇、太上皇后光明氏、孝謙天皇の親子三人。
それに藤原仲麻呂。
聖武太上天皇の死後、微かな微かな亀裂、あるいは小さなズレが生じはじめる。
苦慮する皇太后光明子の前に現れたのは、幼き日に知り合った弓削清人、すなわち弓削道鏡…おぉぉっっっとぉぉぉ…
安宿媛(アスカベヒメ)が光明子と呼ばれるようになり、聖武天皇の皇后となり、太上皇后となって没するまでの物語。
後の聖武天皇は首皇子(オビトノミコ)と呼ばれ、安宿媛の異母姉が産んだ男子で彼女とは兄弟同然に育った仲。
藤原氏の仇敵ともいえる長屋王(ナガヤノオオキミ)の嫡子膳夫(カシワデ)は、いうなれば彼女の初恋の君のようなもの。
そして時折現れては彼女の窮地を助けてくれもする弓削清人(ユゲノキヨト)は星の動きに吉凶を見ることができる。
四人で助けあってある冒険をしたり、事件に立ち向かったりしながらやがて道は大きく分かれていく。
光明子の思いの中心にあるのはいつでも、聖武天皇となる首皇子を支え守ることと、民を救い国を安んじること。
そのために自分は何をしなければならないのか、どうあらねばならないのか。
その思いは終始一貫している。
作中で登場人物である竹がいう。
「…畏れながら皇后様は生身の十一面観音菩薩様だと思いました」
そうでありましょうなぁ…
もしかしたら古代には、為政者を支えるそんな女性がいたのかもしれないね。
作中には悲田院とか施薬院などのことも出てくる。
下道真備(シモツミチノマキビ)=吉備真備や僧玄昉も出てくる。
藤原不比等とその4人の息子の名も出てくる。
長屋王の変は冤罪であり悲劇よね。
藤原仲麻呂は藤原不比等の長男武智麻呂の息子。
教わりましたね、中学校の歴史と高校の日本史の時間にそれらのことも。
そしてテストがあって、あ~こりゃこりゃと答案用紙を埋めて、100点とって一丁上がりぃ…って
そんな知識とはいえない活字でしかなかったものが、実体を伴った景色として広がっていくのは楽しいことでした
つぎに『明治・妖モダン』
こちらは時代劇ファンタジーで読み切りの短編が5話。
明治20年頃、銀座煉瓦街の四丁目交差点にある巡査派出所勤務の原田と滝の巡査コンビ。
この二人が人間ではなく妖であることは物語のなかで明かされる。
二人が常連であるところの牛鍋屋≪百木屋≫。
主の百木賢一通称百賢、常連客で三味線師匠のお高、煙草商の赤手。
明かされてはいないけど、たぶん彼らも妖でしょうよねぇ。
1話ごとに事件が起こる。
事件は解決するし落着もするけど、明明白白青天白日の結果になるわけではない。
闇の向こうに送られてしまうこともある。
それでも、
この人たち、好きだな
と思える。
単行本ではシリーズ2作目『明治・金色キタン』が出ていますが、文庫になるのを楽しみに待つことにします
うん、よいものを読んだなと満足満足
あ゛…、 『応仁の乱』中公新書もほぼ同時に読み終わったんですよ。
でもこれは、歴史の資料集というか研究論文のようなもので、どこにも感情移入するところがなく…。
大変だったのねぇぇ…
って…
北条早雲の4文字が1回だけ、出てきました。
コメント
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