■ リスクオンムード一色 ■
バーナンキの2%インフレターゲット発言。
日銀の1%インフレターゲット発言。
ギリシャ第二次支援の決定。
この3つの記事を受けて市場は一気にリスクオンムード。
今までさんざん我慢していただけに、イケイケドンドンという所でしょうか。
ドル/円も80円代、ユーロ/円も107円
「これで危機が回復基調に乗る!!」
・・・と思っている人が居ない所が今回の特徴です。
要は、呼び水に見事に引っかかって、
いままで必死に我慢していたポジションを皆が一気に解消しているだけ。
ここで荒稼ぎをして、今までの損失を少しでも取り返そうという動き。
「赤信号、みんなで渡れば怖くない」とはまさにこの事。
■ ここで逆張り出来るか? ■
「トレンドが変わった」とか「潮目が変わった」という発言もチラホラ。
何か問題が一つでも解決しているのでしょうか?
1) ドルはQE3という実弾が撃てないから
2) FRBが2%インフレターゲットに言及したして口先で相場を操作。
3) 日本は株価低迷で3月期決算がヤバイ
4) 1%インフレターゲットと10兆円の追加緩和で市場を刺激
5) 円安誘導で輸出株を持ち直させる
6) 1%のインフレを目指しながらも、長期国債を買い入れて金利上昇を警戒
7) ギリシャは3月20日は乗り切った
8) 4月の総選挙で国民が何を選択するのか?
9) 5月には再び償還期日がやってくる
10)緊縮政策によりGDPの縮小は確実で、EUとの約束は絶対に反故にされる
「潮目が変わった」のは短期的な事で、
中長期的には世界経済に明るい兆しは見えません。
その一方で、中国、シンガポール、マレーシア当たりがかなり怪しい。
特に、シンガポールはバブル臭プンプンでしたから・・・。
■ リスクオフこそ相応し ■
長年、金融に携わられていた方は、
トレンドの変化を肌身で感じられている事でしょう。
しかし従来のトレンドの変化は景気循環による周期的な変化でした。
経済の縮小が一時期続いた後は、回復が訪れたのです。
ところが現在の世界は回復の為のエンジンが壊れています。
燃料をどんなに投下しても、エンジンが再始動する事はありません。
むしろ現在の上昇トレンドは、燃料を放出して機体が軽くなった為に上昇している様な物。
なんだか、必死にため込んでいた利益を、一気に放出している様にしか見えません。
その事に気づいている方たちは、そろそろリスクオフに舵を切っているでしょう。
利益はそこそこですが、大きく失う事はありません。
市場に長くいらした方は、もしかすると経験的にもう少しイケルと判断されているでしょう。
しかし、現在の世界において「経験」は役に立ちません。
だって、FRBが16兆ドル、勝手にばら撒く世界に、
従来の法則など通用しないのです。
現在世界で進行しているのは、50年、100年に一度のパラダイムシフトです。
その原動力は経済では無く、世に言われる「陰謀」なのです。
誰かの計画(陰謀)に対して、経験則で対抗するのは危険です。
生き残る為には、相手が何を達成しようとしているのかを
ひたすら思考する必要があります。
「世界が今よりも少し良くなる為に」世界の設計者達は何をしようとしているのか。
この視点が大事ではないでしょうか?
「陰謀論者」の多くは、「陰謀者達は世界を奈落に突き落す」と考えています。
私はこれが間違いの根本なのだと思います。
「第二次世界大戦」も「原爆投下とその後の核に抑止力」も、
世界がそれ以上の被害を蒙らない為の、行為なのだと思います。
彼らの戦略の上に、人一人の命という概念は存在しません。
10億人と30億人の命を比較する様な人たちです。
そして、彼らは地球存続の為には、非情にも10億人を切り捨てる事を厭わないのです。