「せきれい館」のオーナー夫妻に見送られて大樹の宿を出たときは、雨も小降りでみんな元気いっぱいでした。
襟裳岬に向かう黄金海岸あたりにくると、風も雨も強くなってきました。 ヘルメットのシールドは曇ってくるし、下から巻き上げてくる風で水滴がシールドの内側に付いて、視界は最悪。
曇り止めもレインブレーカーも,これだけの雨に遭うと役にたちませんね。
レインスーツを着ていても、シートにたまった水が中に染みこんできて、下着までぐっしょりになった人もいました。 高いレインスーツなのにね。 値段じゃないんでしょう。
トンネルが連続する黄金海岸では、トンネルの度に「ほっ」とするのですから、それほど天候が悪かったのですよ。
百人浜のあたりでは、海からの強い風を覚悟していたのでしたが、意外に普通の風で拍子抜けでした。 たぶん、後ろから吹いてくる風だったので、あまり強く感じなかったのでしょう。
ところがところが、襟裳岬への最後の登り、頂上駐車場まであと100mというところまでくると、この横殴りの雨と風はなんだぁ!と思わず叫びたくなるような状態。
バイクを停めるときにも、突風でバイクが倒されるんじゃないかと心配になるくらいなので、ハンドルを左に一杯切って停めたのです。
で、そこに遅れてやってきた彼。 そう、お騒がせの彼です。バイクを停めようとして、サイドスタンドを出そうとした瞬間に、ねらい澄ましたように彼を襲う突風。
予想通り、バイクはバランスを崩してゴロリン。 すぐにみんなで起こしましたけどね。 残念ながら、写メを撮る時間はありませんでした。(笑)、
これで、今度のツーリングでのバイクゴロリンは、3回目です。 けがもなくバイクの破損もないのでいいのですけどね。
襟裳岬では、あまりにも強い雨と風に恐れをなした薩摩6人衆は、写真を撮ったら、とっとと退散することにしました。
屋内まで雨が吹き込んできて,レンズに雨滴が付いています。
晴れの襟裳岬 (2008年撮影)
この帰り道も、強烈な襟裳の風の洗礼を受けて、一同恐怖驚愕の1日になりました。
昔,鈴鹿8耐を見に行った帰りに,台風の中を走ったことがありますが,こんなに強烈な雨と風に会ったのは,その時以来でした。
膝でタンクをしっかりと挟んで,体を出来るだけ小さくしてウィンドシールドに隠れるようにして,必死の思いでスノーシェルターのある場所までバイクを転がしました。
その後は天馬街道を通るルートで、帯広に向かいました。 晴れの天馬街道は,とても気持ちの良い道のように聞いていますが,雨と風と寒さに耐えながらの走行は,苦行としか言いようがありませんでした。
でも,H・O・G・インターナショナルマネージャーのブルース・モッタ氏の言葉に(H・O・G・newsより)
「完璧な日なんて面白みがないよ。 大変な思いをした旅の方が,深く心に刻まれることもあるんだ」
たしかに,いつまでも思い出に残る旅の一つになるだろうなぁと思いました。
※でも,残念なことが一つ。
帯広では雨の中を、まずハーレーのディーラーに行ったのでしたが、なんと土日とも臨時休業なんだって。 せっかく雨の中、探し探しここまで来たのに。 担当のMさん、ガックリでしたね。
結局,せきれい館を出てから帯広のホテルに入るまで,一日中叩きつけるような雨の中のツーリングでしたが、夜はジンギスカンの店で美味しいお肉をたっぷりと食べて英気を養いました。
雨で,カメラを出すことも出来ずに,今日は画像無しです。
さぁ、明日は天気も回復するとの予報です。 楽しみです。