「わらしべ長者」
わらしべ長者の主人公は、さえない貧乏人です。ホームレスで無職という、どん底野郎です。そこで観音様にお祈りというわけだ(その神頼みというところがさえない人生の原因の気もしますが)。
すると「最初に触ったものを大事に持っていけ」というお告げを受けます。そして転んで最初に触ったのが一本の藁でした。寄ってきたアブをつかまえて藁の先に結びつけると、それを見た少年が欲しいとダダをこねました。子供の母親は困って、持っていた蜜柑と交換してほしいと願い出る。その蜜柑を、喉が渇いて死にそうだという商人に譲り、お返しに反物を受け取ります。倒れた馬の処分に困っていた侍と出会って反物は馬になり、水を飲ませると元気になった馬に乗って進んでいたら、どうしても馬が今すぐに必要だというお屋敷の御主人に馬を譲り、その留守にお屋敷を預かったが、とうとうそのご主人は帰ることなく、神頼みホームレス野郎は立派なお屋敷の御主人になったというわけだ。
大人になればわかりますが、この物語は流通経済の本質をついています。あるところでは価値のないものも、必要とされればその価値はいくらでも上がる。必要とされるところにモノを移動させれば差益が生じる。それが商売の基本。ふもとでは水はタダだったりしますが、山の上だとペットボトルが300円とか。さらに付加価値をつけたりで儲けを増やす。ついでに好奇心や所有欲を刺激すれば、ガラクタが金になる。そして人間の欲望の最終目的地は不動産というわけだ。富を手に入れたら、考えることは赤坂の一軒家、品川のタワーマンション最上階か?
ん~、何か抜けているような?
お嫁さんだよね?!静かな雪の降る夜に、戸を「トントン…」と叩くので開けてみれば、色白の美女が「お嫁さんにしてください♪」みたいな~(^益^)b
まあ今でいうと、覚えのない宅急便の荷物を開けてみたら萌え系のマネキン美少女が入っていて、それが「ご主人様♪」と話し出すとかさ、とにかくめんどくせー手続きを抜きにして、言いなりになるカワイコちゃんが手に入るっつーオチはねえんですかい?
あっ!赤坂の一軒家とか品川のタワーマンションに住んでいれば、いずれお嫁さんは手に入るだろうから省略?
いや、あくまで富を手に入れる純粋な幸運物語なので、嫁がくると不幸の始まりになっちまうってかな?
どうなんだ? (=゚益゚):;*.‘:;