民主党政権の誕生が間近になりテレビニュースを見ていても、各省庁の次官クラスの官僚が新政権の指示待ちのような殊勝な会見コメントを出しています。今回の選挙結果をもたらした最大の原因が、脱官僚主義の政治・政策を国民が強く望んだことにあると、さすがに官僚たちの意識が転換してきているようにも感じられます。
自民党の人達の中にも、いわゆる上げ潮派といわれた政策集団の議員は、政治主導の脱官僚主義を掲げて公務員制度改革などに取り組みましたが、消費税優先を主張する財政再建派や官僚と共通利害を持つ族議員などの抵抗に阻まれてきました。福田・麻生首相と政権が変わる度に、行政改革が後戻りしていくように感じられていました。
自民党の改革派の攻勢を何とか阻止したと思っていたら、今度は民主党の圧勝により全面的に抗いようのない状況に、危機的に追い込まれようとしている霞ヶ関と映ります。
小泉・安倍政権の政策立案の中枢を担い、官僚組織の抵抗と戦い続けた高橋洋一さんの書かれた『さらば財務省!』や、上げ潮派といわれる中川秀直さんの『官僚国家の崩壊』などは、道半ばにはなりましたがいわゆる“埋蔵金”の存在や官僚の省益主義のからくりを周知させ、現在の民主党の政策や改革手法にも大きな影響を与えた本ではないかと想われます。
![]() | さらば財務省!―官僚すべてを敵にした男の告白 高橋 洋一 講談社 このアイテムの詳細を見る |
![]() | 日本は財政危機ではない! 高橋 洋一 講談社 このアイテムの詳細を見る |
![]() | 官僚国家の崩壊 中川 秀直 講談社 このアイテムの詳細を見る |
![]() | 霞が関の逆襲 江田 憲司,高橋 洋一 講談社 このアイテムの詳細を見る |