土曜日朝のNHK「ウィークエンド関西」の「西日本の旅」コーナーで、今週は僕の故郷である徳島県の阿南市椿泊で行われている太刀魚漁と、明治時代から140年続き7代目となる老舗和菓子屋さんの小豆餡づくりが紹介されました。
阿南市といえば僕の母校は富岡西高等学校という県南の進学校でした。年が分かってしまいますが時々SL(先日、名古屋の街中を煙を吐いて走りました!)に乗って通学しました。椿泊漁港はJR牟岐線の沿線からは離れていたので、後にオートバイに乗るようになって友達の家などを訪ねて行った記憶があります。細長い湾に沿って建てられた家々の間を狭い道が続いていくレトロな町の雰囲気が残っていました。
瀬戸内海と太平洋が合流する前海では、魚種も豊かで一年中漁ができる恵まれた地域です。今は脂がのった太刀魚漁が盛んで、4キロもの延縄を1時間ほどで巻き上げると、魚体を銀色に光らせながら次々に釣れてきました。料理では太刀魚のタタキが紹介されていましたが、残念ながらこれは僕もまだ食べたことはありません。
僕はもう少し南に行った美波町の由岐という漁師町の田井の浜の出身で、昔よく兄が漁協に勤めていた地元の友達の小型船で、夜中に出掛けて行き明け方に太刀魚をたくさん釣ってきました。僕が好きだったのは母の作ってくれる子持ち太刀魚の甘辛い煮付けでした。
また漁師町には珍しい老舗和菓子屋さんで小豆餡を作る時に、ご主人が海に潜って穫ってきた天草から絞った寒天汁を少し餡に混ぜると、艶のある滑らかな小豆餡ができあがるそうです。海の恵みを代々引き継いでそれぞれの営みが続いてきた様子が分かります。
天草は僕もよく母と近くの田井の浜に打ち上げられているのを拾って、心太や水羊羹などを作って貰ったことを想い出しました。
※ ちなみに千里山の餡パンでは「プティ・ラプティ」の甘さ控えめが好きで、作り立ての粒餡の風味が残っていて美味しいと想います。