梅田の紀伊国屋書店で最近目に付いたものに、デフレ脱却と日銀の金融政策の過誤・責任を追求する2冊の新書があります。なぜ目立つかと言うと一冊ずつに著者の直筆サインが書かれ売られていたからです。題して「サイン本戦略」とでも言えるのでしょうか。同じ顔付きが並ぶ新書コーナー棚では、「サイン本」という表示とビニール包装されたこれらの本は際立ってアピールしていました。
新書の値段はどちらかと言えば割安で、そういう本にサイン会でもなくサインをしていくのは大変な気持ちと努力が必要ですが、それぞれの著者が込めたデフレ脱却や日本経済復活への願いと、蒙昧な日銀政策への怒りにも似た想いの強さが伝わってきます。
出版のタイミングから言って先日の参議院選挙に向けて、デフレ脱却を争点にすることで世論の盛り上げを図ったことは明らかです。僕も彼らの著書の紹介などを通して以前「デフレ脱却を争点に!」ということをブログで書かせて貰いました。結果的には菅総理の消費税発言から、参院選の争点はマスコミを含め景気を確実に悪化させる緊縮財政再建(デフレの時に!)の方に移行してしまいました。
上念司さんの本からは、もう暢気に議論している場合ではなく、政治問題化して解決を図っていくべき時に来ている、というメッセージが真摯に伝わってきます。特に最近マスコミなどで喧しくなってきた日本破綻論の類に対して、正論で対応している部分には大いに納得と安心感を読者・国民は得られると想います。また、人気エコノミスト勝間和代さんのサイン本は、その議論について国民に分かりやすく解説し、問題意識を共有しましょうと呼び掛けています。この2冊は著者のサイン本であるだけではなく、実は同意のサインを読者それぞれに求めていく意味があるのだと気付きました。
「日銀貴族」が国を滅ぼす (光文社新書) 上念 司 光文社 このアイテムの詳細を見る |
国民の選択 勝間の視点 勝間 和代 PHP研究所 このアイテムの詳細を見る |
※ 10年以上前から一貫してデフレ脱却と日銀の金融政策の関連性を指摘・批判し続けている森永卓郎さんの最新刊です。
「民主党不況」を生き抜く経済学 森永 卓郎 PHP研究所 このアイテムの詳細を見る |
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます