長い山脈に付属する振動
任意に重ねられた薄い鉄板が台座に間隔を開けて直立している。それらが、両脇の木(山を模したもの)間に、やはり間隔を開けて置かれている。
山脈(山々、山の連なり)に潜む隠れた変移、静けさを保っているが危機をも孕んでいる。動かざる山に内包された振動(呼吸)への恐れと、立ち姿(存在)への敬虔なる祈りの複合。
長い山脈に感じる崇高さへの神秘は、古代古の隆起の激動を孕んでいる。
(写真は横須賀美術館『若林奮VALLEYS』より)
くらかけの雪
たよりになるのは/くらかけつづきの雪ばかり/野はらもはやしも/ぽしやぽしやしたり黝んだりして/すこしもあてにならないので/ほんたうにそんな酵母のふうの/朧るなふぶきですけれども/ほのかなのぞみを送るのは/くらかけ山の雪ばかり (ひとつの古風な信仰です)
☆説(話)を設(こしらえる)也。
要(かなめ)の講(話)の模(ありさま)は、糧(物事を養い育て支えるのに必要なもの)であり、総て太陽の説(話)である。故に普く真(まこと)の考えである。
だいたいからして、あんたは助手がこわいんだ。こわいばかりに、あの人の好いアルトゥルをなぐったんだ」「あるいはな」と、Kは言った。
☆要するに思考は恐怖であり、ただ怖いばかりに所有地の仕方をたたいたのです。「多分」と、Kは言った。