続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

若林奮『「長い山脈に付属する振動」のための模型』

2017-12-27 07:10:15 | 美術ノート

 長い山脈に付属する振動

 任意に重ねられた薄い鉄板が台座に間隔を開けて直立している。それらが、両脇の木(山を模したもの)間に、やはり間隔を開けて置かれている。

 山脈(山々、山の連なり)に潜む隠れた変移、静けさを保っているが危機をも孕んでいる。動かざる山に内包された振動(呼吸)への恐れと、立ち姿(存在)への敬虔なる祈りの複合。
 長い山脈に感じる崇高さへの神秘は、古代古の隆起の激動を孕んでいる。


(写真は横須賀美術館『若林奮VALLEYS』より)


『くらかけの雪』

2017-12-27 06:52:32 | 宮沢賢治

 くらかけの雪

 たよりになるのは/くらかけつづきの雪ばかり/野はらもはやしも/ぽしやぽしやしたり黝んだりして/すこしもあてにならないので/ほんたうにそんな酵母のふうの/朧るなふぶきですけれども/ほのかなのぞみを送るのは/くらかけ山の雪ばかり  (ひとつの古風な信仰です)


☆説(話)を設(こしらえる)也。
 要(かなめ)の講(話)の模(ありさま)は、糧(物事を養い育て支えるのに必要なもの)であり、総て太陽の説(話)である。故に普く真(まこと)の考えである。