続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

『やまなし』㉚

2018-11-28 06:34:52 | 宮沢賢治

 白い柔らかな円石もころがつて来小さな錐のかたちの水晶の粒や、金雲母のかけらもながれて来てとまりました。


☆魄(たましい)の中の掩(隠れた)釈(意味を解き明かす)記である。
 照(あまねく光が当たる=平等)を推しはかり啓(人の目を開き理解させること)を遂(とげる)。
 照(あまねく光が当たる=平等)を流(広め)、渾(いろいろなもの/すべて)を運(めぐらせる)模(手探り)の記である。


『城』3078。

2018-11-28 06:21:16 | カフカ覚書

 すると、すくなくともエルランガーのまえへ出ていけるくらいの元気がわいてきたような感じがした。彼は、エルランガーの部屋のドアをさがしたが、従僕もゲルステッカーも姿が見えなかったし、どのドアもおなじなので、見つけだせなかった。


☆エルランガーの前に進み出るほどの力を予感した。彼はエルランガーの部屋(課題)のドア(入り口)を探したが、従者(死者)もゲルステッカーも見えなかったしどの入口も同じなので見つけることができなかった。


『オツベルと象』②

2018-11-27 07:10:14 | 宮沢賢治

 オツベルときたら大したもんだ。稲扱機械の六台も据ゑつけて、のんのんのんのんのんのんと、大そろしない音をたててやつてゐる。


☆他意がある。
 等(平等)を扱う記である。
 解(バラバラに離して)録(書き記している)
 題(解決すべき事柄)がある。
 扱(取り上げる)他意は隠れている。


『オルメイヤーの阿房宮』

2018-11-27 06:45:44 | 美術ノート

   『オルメイヤーの阿房宮』

 廃墟となった塔の跡だろうか。夥しく分かれた木の根がむき出しになっていて、背景は単色オレンジである。
 この背景は《時代を特定しない》ということだと思うが、いつの時代かの阿房宮(愚行)であり、木の根はそれを支えた民衆の暗示だろうか。

 木(塔)の中は空洞、小さな窓と屋上には囲いがある。
 頑強に見える壁は外部を寄せ付けない守りがあるが、小さすぎる窓は閉鎖的である。固い結束のもとに構築された塔(城かもしれない)は、今や博物館的な展示物と化している。
 一国の終末、崩壊…幻と化したかつての繁栄。何がどうということではない、繰り返される歴史の悲劇、自然の上に立つ人々の奢りは久しくは続かない。
 宇宙の果てから見た人類の歴史の顛末は、このように些少で滑稽な遺物として括られるのかもしれない。
 マグリットの遠い眼差しである。


(写真は国立新美術館『マグリット』展/図録より)


『やまなし』㉙

2018-11-27 06:31:46 | 宮沢賢治

      二、十二月
 
 蟹の子供らはもうよほど大きくなり、底の景色も夏から秋の間にすつかり変わりました。


☆自由な字を合わせている
 解(バラバラに離れた)詞(言葉)は教(神仏のおしえ)であり、他意の態(ありさま)は、啓(人の目を開き理解させる)の私記である。
 化(形、性質を変えて別のものになる)で修(整え)、換(入れ替え)変(移りかわる)。


『城』3077。

2018-11-27 06:22:57 | カフカ覚書

フリーダが床のうえに置いたままにしていった食器盆にも、ラム酒の小瓶があった。Kは、労をいとわずにあともどりをすると、そのラム酒をのみほした。


☆フリーダ(平和)は、大地を平静に覆い、容れ物である舞台(地球?)の氏族の闘いを見ていた。Kは内容のないバカげた考えには執着しなかった。


🈞マグリット『シェヘラザード』

2018-11-26 06:45:08 | 美術ノート

   『シェヘラザード』

 シェヘラザードとは『千夜一夜物語』に登場する語り手の王妃の名である。(解説より)
 カーテンで仕切られている、つまり人為的な世界である。
「シェヘラザードは語りき」見るための目と語るための口のみ、他は真珠で滑稽な人型を模している。真珠は高貴というより虚飾かもしれない。
 床は石のようであり、左右にはそれぞれ水の入ったコップ(真実)と馬の鈴(口伝、口承、言葉、物語etc)が置かれている。
 少し下がったところには、亀裂の入った空洞らしき塔があり無数の鳥が飛び立っている。緑多き山頂に位置しているが、廃墟である。
 これらを被うカーテンから覗き見る景色は、雲の散在する青空と山稜であり、ありのままの自然の景である。

 以上がこの作品の構図を成すものであるが、ここから何が見えるだろう。
 中央に置かれたコップの中の水は水平であり、透明な真実の証としての役割を担っていると考えられる。
 シェヘラザードの語り口には少しの噓(馬の鈴が純白ではない)があるが、少なからず真実をも表明してる。
 下に見える廃墟の塔は中身のない(空洞)であり、過去に積み上げた徒労の跡ではないか。飛び立つ数多の鳥は呪縛から解かれた民衆かもしれない。

 カーテンに隠された異世界の物語、秘話には歴史に埋もれた真実がある。


(写真は国立新美術館『マグリット』展/図録より)


『やまなし』㉘

2018-11-26 06:26:54 | 宮沢賢治

『こはいよ、お父さん。』弟の蟹も云ひあした。
 光の網はゆらゆら、のびたりちゞんだり、花びらの影はしづかに砂をすべりました。


☆普く他意は解(わかる/悟るため)に、運(めぐらせている)。
 交(入り組む)妄(嘘)は、化(教え導くこと)のために営(こしらえている)詐(作り事)である。