ハリックの診断即治療&虹彩と、Kenさんの経済学&スケッチ

虹彩には、体質や、現在、過去、未来、のデータが秘められています。虹彩学による虹彩分析を針灸、巨針、食事療法の指針に!

首が痛くて動かせない・・・臨床連載―14

2005-07-22 09:12:11 | 診断即治療と虹彩学

「夜中の2~3時ごろ、首が痛くて目が覚めたら、首が動かなくなっていて、
左右前後に動かすと、左首筋が痛む」
と急患で飛び込んで来た人がいた。

虹彩分析では、心臓心包の角度と消化器系の角度にマイナスサインがある。

最近は、急患を受け付ける時間がないので、お断りする場合が多いのですが、
この方は、6年ほど前から、ちょく、ちょくと(6 年間で15回)来られている
方で、当方と相性がいいと言うか、愛想がいいと言うか、いつもタイミング
よく治療に来ることができる。

脈診では、左の寸口、すなわち「火→心・小腸」が細脈で、他はいずれも虚脈
(血虚で傷暑)が出ているので、「暑邪」(熱さに負けたと考えてください)
が考えられた。



そんな時、五行の相剋から考えますと、水剋火で、腎経の勇泉か太谿で瀉する
のが理に叶うのだが、腎経の脈状も「実」ではないので、腎経を瀉しても、効果の
ない可能性が高い。



では、五行の基本的な流れで、肝経を補すればどうかということになるのですが、
経験的に肝経を補しても首の痛みまで取るのは難しく、脈状だけを整えて、自己
満足で終わりたくはない。



勿論、心だけを補するつもりで、「少衝」を補することも考えたが、少衝は
井穴なので、補するつもりが瀉になる場合があるので、それも使いたくない。


心の井木は、少衝

そこで、持論の七星論を用い、地(相火)を補することにしたのだが、地(相
火)の井木も中衝で井穴なので、これも補のつもりが瀉になる可能性があるの
で使いたくない。

そんな時、私はいつも原穴を使う。
原穴は、補にも瀉にも使えるので、実に便利だ。


心包経の原穴は「大陵」なので、大陵に刺鍼してみた。



首が左右に動くようになったので、他の患者さんとの時間の関係もあり、臓腑
調整をするために鍼をして置針した。

途中で、七星論による腹診をしたら、地(相火)の位置に違和感があった。




置針治療の後、首の付け根が左にずれていたので(座っている時はわからなか
った)、カイロでアジャストをしようと思ったが、前後の痛みが残っていて、
矯正する角度に首が捻れない。

操体法を試そうかとも思ったが、運動系を用いるよりも鍼灸のほうが患者さん
の負担にならないと思ったので、再び脈を診た。

ここでやっと、原因が浮いてきたようで、脾の脈状が少し実脈に変わってき
たので、これも七星論の相剋関係で取穴することにして、商丘で瀉した。
* 七星論と五行論の相剋関係は基本的に違います。



首が楽に動くようになったので、治療を終了したが、七星論による腹診でも、
地(相火)の位置の違和は取れていた。

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人民元2%切り上げ、米ドル、債券、株トリップル安:米国経済ー学校で教えてくれない経済学

2005-07-22 08:07:51 | 経済学
 7月21日、中国政府は、人民元為替レート決定制度を
①7月21日から米ドル単一通貨への固定制をとらず、通貨
バスケット制へ移行する、②7月21日午後7時の米ドルの
対人民元の取引価格は、1ドル=8.11元とする、
③米ドルの対人民元の取引価格の変動幅は、米ドルの
取引の中間値の上下0.3%以内とすると発表した。

 7月21日、NY外国為替では、円は、前日の1ドル=112円台から
対ドルで2.1%上げ1ドル=110.46円で取引された。

 対ユーロでは、1ユーロ=1.2117ドルと前日の
1ユーロ=1.2148ドルと比べてドルは小幅ながら
むしろ買われた。その他欧州通貨に対しても大きな
動きは見られなかった。

 一方アジア通貨は、円急騰につられて、前日に比べ
軒並み上昇した。

 韓国ウオンは1%、シンガポールドル、タイバーツは
2%それぞれ上げた。

 マレーシア中央銀行は、通貨リンギと米ドルを
1ドル=3.8リンギの固定相場制を廃止、
管理変動相場制に移行すると発表した。

 米国では、人民元切り上げ発表後、
債券相場が急落、10年物国債の利回りが
4.28%へ上昇した。

 NYダウは、61ポイント下げ、ナスダック総合株価
指数も10ポイント近く下げ、ドル、債券、株安と
トリップル安となった。

 なぜ米国債が売られたのか。

 中国政府は、人民元切り上げを嫌い、米国債券を
買い続けていたが、今回の人民元切り上げ発表で
中国政府の米国債券買いの手が鈍ると債券市場は
判断したことが考えられる。

 しかしこのままずるずると米国債が値下がり
(利回り上昇)を続けるかどうかについては、
不透明であるとする専門家の見方も多いようだ。

 中国政府の今回の人民元切り上げは、
①2%に過ぎないこと、②変動幅が上下0.3%であること、
③バスケット制度の通貨の中身が公表されていないことなど
中国政府が何を考え、この先どう動いてくるのか
いまひとつ中身に不透明な点が多い事が指摘される。

 さらに次の切り上げがあるとしてもあくまでゆっくりとした
テンポで進められるだろうということ、中国に限らず
アジア諸国は、外貨保有高の中身を米ドルから
その他通貨に徐々に移してきているとの指摘もある。

 また、債券や株式相場も、米国の金融市場が、
中国の通貨政策よりむしろ米国経済の実態や
米企業業績、米FRBの利上げ問題に焦点が
既に移っていることから、NY株安、債券安も
一時的であるとする指摘もある。

 今回の人民元切り上げ発表は突然であったことから
動揺はあった。しかし、時間の経過とともに沈静化するとの
冷静な判断が欧米の論調には多く見られる。

 外貨準備高が7,000億ドルという巨額に達したこと、
中国首脳の米国訪問を控えて、米国政府特に米議会の
圧力を目先切り抜けようとする、中国政府の政治的狙いが
みえみえなことも事実のように思われる。

 結論的には、今回の人民元切り上げは、重要な
第一歩であることは事実であるが、政治的狙いが
ぷんぷん匂っており、楽観しすぎることは危険であるが、
経済面、金融面での実質的な影響は軽微であると思われる。

 人民元2%切り上げで、ばたばたと下手に動きまわることは
少なくとも現時点では、あまり賢い対応でないのかもしれない。(了)

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