7月13日、米商務省は、5月の米貿易赤字額は、
原油価格の下落で輸入が減り、輸出が増えた結果、
4月対比2.7%減、553億4,9900万ドルと発表した。
一方、米労働省は、6月の米輸入物価指数は、
原油価格がバレル60ドルを突破してことが影響し、
前月比1%増加したと同日、発表した。
多くの専門家は、原油相場がここへ来て再び
60ドル台へ回復してきていることから、5月の
米貿易赤字縮小は一時的現象と見ているようだ。
米貿易赤字は、このままのペースで進めば、
2005年は6,816億ドルへ拡大、2004年の
6,176億ドルと比べて10%以上増加すると見られている。
赤字額縮小は、5月の原油輸入額が、4月の
140億ドルから137億ドルへ減少したことが影響し、
全体の輸入額が1,636億ドルから1,622億ドルへ
引き下げたためである。
5月の衣類及び繊維製品の輸入増加が対中国の
赤字額を昨年11月以降最大の7.1%増、
158億ドルへ拡大させた。
2005年の対中赤字額は2004年の1,620億ドルを
上回るペースで進んでいるとアナリストは指摘している。
対日赤字額は71.8億ドルから65.8億ドルへ減少した。
このことは米国では円高圧力が後退し、人民元切り上げが
政治問題化している背景を正直に説明している。
5月の輸出は、4月の1,067億ドルから1,069億ドルへ
増加した。航空機需要が落ち込み資本財輸出が減少したが、
食料、消費財、工業製品輸出がそれぞれ増加した。
労働省が発表した輸入物価指数では、エネルギー物価は
1%以上増加したが、非石油製品はここ4年来最低の0.4%
下落した。
中国からの輸入物価も0.1%下落した。
中国品の量が増え値段は上がらないことが
特に米国の製造業者を刺激しているのであろう。
労働省が発表した6月の輸出物価指数は、5月と
横ばいであった。農産物物価は5月1.9%増にいついで、
5月1.2%増加した。
農産物の國際相場上昇を反映している。
農産物を除く物価が低迷し、原油相場が高値安定することが
この先予測されることから、米国の貿易赤字の拡大トレンド解消は
実際問題難しいかもしれない。
7月13日、NY株式市場は5月の米貿易赤字縮小を材料に前日比
43ドル値上りした。
しかし、これには、NY原油相場が、米国の石油製品在庫が
予想を上回り増加して、61セント下げ60.01ドルと比較的
落ちついた動きで推移したこととIBMのIBM好決算、アップル
コンピュータの業績好転を歓迎した影響がNY株全体にも
プラスに働いたようだ。
株式相場は全てではないが、株式投資にかかわらず
相場は人の心を写す鏡でもある。
銘柄選択でも、このところ出来るだけ原油の周辺銘柄を
避けて通る雰囲気が見られまことに興味深い。
原油相場の先行きになにやらきな臭いニオイを投資家は
かぎつけているのかもしれない。
五感には視覚、聴覚、味覚、触覚、嗅覚とあるが、
最近の日本人がとみに衰えを見せているのが嗅覚であろう。
ブッシュ大統領は石油のニオイがすると以前米有力誌
Business Weekが一文字で彼の正体を見抜いていた。
米貿易赤字縮小は一時的か。
政治も経済も石油次第でどちらにも転びうることを
投資家は嗅ぎつけているのかもしれない。
日本という国は石油を断たれて戦争に突入した。
学校でも家庭でも、この単純明解な事実を
子供たちに是非ともたたき込んでおいて欲しい。(了)
原油価格の下落で輸入が減り、輸出が増えた結果、
4月対比2.7%減、553億4,9900万ドルと発表した。
一方、米労働省は、6月の米輸入物価指数は、
原油価格がバレル60ドルを突破してことが影響し、
前月比1%増加したと同日、発表した。
多くの専門家は、原油相場がここへ来て再び
60ドル台へ回復してきていることから、5月の
米貿易赤字縮小は一時的現象と見ているようだ。
米貿易赤字は、このままのペースで進めば、
2005年は6,816億ドルへ拡大、2004年の
6,176億ドルと比べて10%以上増加すると見られている。
赤字額縮小は、5月の原油輸入額が、4月の
140億ドルから137億ドルへ減少したことが影響し、
全体の輸入額が1,636億ドルから1,622億ドルへ
引き下げたためである。
5月の衣類及び繊維製品の輸入増加が対中国の
赤字額を昨年11月以降最大の7.1%増、
158億ドルへ拡大させた。
2005年の対中赤字額は2004年の1,620億ドルを
上回るペースで進んでいるとアナリストは指摘している。
対日赤字額は71.8億ドルから65.8億ドルへ減少した。
このことは米国では円高圧力が後退し、人民元切り上げが
政治問題化している背景を正直に説明している。
5月の輸出は、4月の1,067億ドルから1,069億ドルへ
増加した。航空機需要が落ち込み資本財輸出が減少したが、
食料、消費財、工業製品輸出がそれぞれ増加した。
労働省が発表した輸入物価指数では、エネルギー物価は
1%以上増加したが、非石油製品はここ4年来最低の0.4%
下落した。
中国からの輸入物価も0.1%下落した。
中国品の量が増え値段は上がらないことが
特に米国の製造業者を刺激しているのであろう。
労働省が発表した6月の輸出物価指数は、5月と
横ばいであった。農産物物価は5月1.9%増にいついで、
5月1.2%増加した。
農産物の國際相場上昇を反映している。
農産物を除く物価が低迷し、原油相場が高値安定することが
この先予測されることから、米国の貿易赤字の拡大トレンド解消は
実際問題難しいかもしれない。
7月13日、NY株式市場は5月の米貿易赤字縮小を材料に前日比
43ドル値上りした。
しかし、これには、NY原油相場が、米国の石油製品在庫が
予想を上回り増加して、61セント下げ60.01ドルと比較的
落ちついた動きで推移したこととIBMのIBM好決算、アップル
コンピュータの業績好転を歓迎した影響がNY株全体にも
プラスに働いたようだ。
株式相場は全てではないが、株式投資にかかわらず
相場は人の心を写す鏡でもある。
銘柄選択でも、このところ出来るだけ原油の周辺銘柄を
避けて通る雰囲気が見られまことに興味深い。
原油相場の先行きになにやらきな臭いニオイを投資家は
かぎつけているのかもしれない。
五感には視覚、聴覚、味覚、触覚、嗅覚とあるが、
最近の日本人がとみに衰えを見せているのが嗅覚であろう。
ブッシュ大統領は石油のニオイがすると以前米有力誌
Business Weekが一文字で彼の正体を見抜いていた。
米貿易赤字縮小は一時的か。
政治も経済も石油次第でどちらにも転びうることを
投資家は嗅ぎつけているのかもしれない。
日本という国は石油を断たれて戦争に突入した。
学校でも家庭でも、この単純明解な事実を
子供たちに是非ともたたき込んでおいて欲しい。(了)