7月1日、NY株式市場は、投資家の気迷い感から様子見が続き
28ポイント高で取引を終了した。
2005年前半戦が終了した。
2003年、株式相場は25%上昇した。しかし、2004年は
後半盛り返したが、通しで見れば3.1%高にすぎない。
2005年は上げたり下げたりしながら、通してみれば4.7%の
下落である。
株式投資は決してエキサイティングなゲームでないと
先行き警戒する慎重な投資姿勢を求める声が出てきても
おかしくない。
昨日いったん下げた原油相場がバレル2ドル上げ
再び58ドル台へ戻した。原油相場の先行き高止まり
予測を象徴する動きである。
米FRBは短期の誘導目標金利を0.25%上げ
年3.25%へ引き上げた。しかも、いつ利上げ打ち止めか、
明解な見通しを声明文に残さなかった。
株式市場は利上げを嫌がる。なかでも不透明感が
払拭できないことを極端に嫌がる。
米FRBが利上げを続けると米経済成長を殺すかもしれない。
そんな不安が、より安全、確実として、債券投資へ世界の投資家の
目を向けさせているのかもしれない。
短期金利が上がるが、長期金利は上がらない。
金融の世界でのいままでの常識にない、いびつな姿、
グリースパンFRB議長にして言わしめた、『謎』の姿が、
短期金利上昇、長期金利低位低迷である。
低位の10年物債券相場に連動する住宅ローン金利を
低位に安定させる。それが住宅バブルの温床を用意していると
指摘するエコノミストは多い。
米株式市場では、帆船時代が終わり、独自のエンジンを
持つモーターボート企業を厳しく選択する時代に変わりつつある。
銘柄を厳選しなければならない面倒くさい株式投資は敬遠したいの
だろうか。
世界はいま異常な金余りにあるといわれる。
ヘッジファンドは、興奮させてくれる物はないかと目を
ギラギラさせている。
投機家の興奮を満たしてくれる対象が、原油であり、
外国為替であり、住宅投資であるというのだから
返すことばもない世界である。
一方、米国では依然として設備過剰状態が続いているといわれる。
ひたすらコストを下げながら、リスクを侵してまで設備投資を増やし、
新規に雇用を増やそうとしない傾向が企業家に強いといわれる。
米株式市場が、雇用統計の発表に一喜一憂するのも
そのためだろう。
毎週発表される新規失業保険申請件数をエコノミストや
アナリストが常に話題にするのもそのためだ。
リスクを承知で新規投資を敬遠するのは石油メジャーも例外
ではない。それが原油高騰の1つの背景にある。
新規の油田開発には巨額の金がかかる。一時の原油高騰では
油田開発に手をださない。そこが付け目のヘッジファンドが
供給不安を煽っては相場に仕立て上げているに過ぎない。
地道に種をまき、木を育てるよりは、M&Aを通じて
手っ取り早く成果を上げようとする風潮が益々鮮明に
なりつつあるようだ。
上院で反対、それに大統領がサインしないと
成立しないが、米下院が中国石油大手による
米石油大手の買収に 待ったをかけた。
しかしながら、のどがカラカラに渇いた中国。
理屈抜きで手っ取り早く石油を得たい中国。
それを渡すまいとする米国。
石油利権をめぐる米中バトルを日本人も
対岸の火災視することはできまい。
日本はかって石油の糧道を断たれて戦争になった。
中国がロシアにスリよっているのは石油欲しさの
ためである。
帆船ですか?モーターボートですか?
帆船時代の終焉はなにやら意味ありげである。
米国の投資家にとって、風任せ、他人さん任せの
時代の終わりは、日本の現状とも生き写しである。
世のなか全体が益々、投機的、刹那的になりつつある。
投資の世界を見聞きしているとそれが典型的に出てきており
不気味である。
自分の健康は自分で守る。自分の無け無しの資産も
自分で守る。
虫のいい、浮ついた話に乗せられてはなるまい。(了)
28ポイント高で取引を終了した。
2005年前半戦が終了した。
2003年、株式相場は25%上昇した。しかし、2004年は
後半盛り返したが、通しで見れば3.1%高にすぎない。
2005年は上げたり下げたりしながら、通してみれば4.7%の
下落である。
株式投資は決してエキサイティングなゲームでないと
先行き警戒する慎重な投資姿勢を求める声が出てきても
おかしくない。
昨日いったん下げた原油相場がバレル2ドル上げ
再び58ドル台へ戻した。原油相場の先行き高止まり
予測を象徴する動きである。
米FRBは短期の誘導目標金利を0.25%上げ
年3.25%へ引き上げた。しかも、いつ利上げ打ち止めか、
明解な見通しを声明文に残さなかった。
株式市場は利上げを嫌がる。なかでも不透明感が
払拭できないことを極端に嫌がる。
米FRBが利上げを続けると米経済成長を殺すかもしれない。
そんな不安が、より安全、確実として、債券投資へ世界の投資家の
目を向けさせているのかもしれない。
短期金利が上がるが、長期金利は上がらない。
金融の世界でのいままでの常識にない、いびつな姿、
グリースパンFRB議長にして言わしめた、『謎』の姿が、
短期金利上昇、長期金利低位低迷である。
低位の10年物債券相場に連動する住宅ローン金利を
低位に安定させる。それが住宅バブルの温床を用意していると
指摘するエコノミストは多い。
米株式市場では、帆船時代が終わり、独自のエンジンを
持つモーターボート企業を厳しく選択する時代に変わりつつある。
銘柄を厳選しなければならない面倒くさい株式投資は敬遠したいの
だろうか。
世界はいま異常な金余りにあるといわれる。
ヘッジファンドは、興奮させてくれる物はないかと目を
ギラギラさせている。
投機家の興奮を満たしてくれる対象が、原油であり、
外国為替であり、住宅投資であるというのだから
返すことばもない世界である。
一方、米国では依然として設備過剰状態が続いているといわれる。
ひたすらコストを下げながら、リスクを侵してまで設備投資を増やし、
新規に雇用を増やそうとしない傾向が企業家に強いといわれる。
米株式市場が、雇用統計の発表に一喜一憂するのも
そのためだろう。
毎週発表される新規失業保険申請件数をエコノミストや
アナリストが常に話題にするのもそのためだ。
リスクを承知で新規投資を敬遠するのは石油メジャーも例外
ではない。それが原油高騰の1つの背景にある。
新規の油田開発には巨額の金がかかる。一時の原油高騰では
油田開発に手をださない。そこが付け目のヘッジファンドが
供給不安を煽っては相場に仕立て上げているに過ぎない。
地道に種をまき、木を育てるよりは、M&Aを通じて
手っ取り早く成果を上げようとする風潮が益々鮮明に
なりつつあるようだ。
上院で反対、それに大統領がサインしないと
成立しないが、米下院が中国石油大手による
米石油大手の買収に 待ったをかけた。
しかしながら、のどがカラカラに渇いた中国。
理屈抜きで手っ取り早く石油を得たい中国。
それを渡すまいとする米国。
石油利権をめぐる米中バトルを日本人も
対岸の火災視することはできまい。
日本はかって石油の糧道を断たれて戦争になった。
中国がロシアにスリよっているのは石油欲しさの
ためである。
帆船ですか?モーターボートですか?
帆船時代の終焉はなにやら意味ありげである。
米国の投資家にとって、風任せ、他人さん任せの
時代の終わりは、日本の現状とも生き写しである。
世のなか全体が益々、投機的、刹那的になりつつある。
投資の世界を見聞きしているとそれが典型的に出てきており
不気味である。
自分の健康は自分で守る。自分の無け無しの資産も
自分で守る。
虫のいい、浮ついた話に乗せられてはなるまい。(了)