お馴染みの「よし萬」さんをぶらっと尋ねて
店長においしい焼酎をいただきたいと店に腰をおろすなり
たのんだ。
ひとつ、ふたつとこれはという銘柄をいただいたあと
店長自ら次はちょっとコクのある銘柄で行かれますかと
促されて「それお願いします」と頼んだら、その銘柄は
なんと「ハナタレ」である。
ラベルの説明書きにアルコール濃度44.1~44.9度と
あるではないか。結構焼酎をいただいた後での
44度である。覚悟して飲んだ。それがまた実にうまい。
創業明治18年の宮崎県の(株)黒木本店製造である。
なぜ「ハナタレ」というのか。
蒸留担当の蔵人は「釜炊き」と呼ばれ、蒸留機から最初に
垂れてくる出はなの焼酎、つまりハナタレを今か今かと
待ち続けながら蒸気圧の調整に全神経を集中しなかければ
ならない。
仕込みの季節が来て、はじめての蒸留のとき、蒸留機から
垂れてくる銀色に輝いたハナタレに触れる瞬間は、蔵人に
とって言い知れぬ喜びと緊張の一瞬ですと説明書に
あった。
話は飛ぶ。一昔前には神戸のような街中でもハナタレ姿を
よく目にした。ハナタレが街から姿を消したのは淋しいが
由緒ある焼酎の銘柄として「ハナタレ」が生きていることを
知り嬉しくなってしまった。
「よし萬」は料理ではいまさら言うまでもない評判のお店である。
秘蔵のお酒「ハナタレ」を惜しげもなく客人に格別の値段で
飲ませてくれた店長の心意気に改めて感謝した次第である。
この日、開店早々さるご婦人が友達を連れて店に来た。
「店長、お昼おいしかったからまた来たんや」というではないか。
インターネット万能の世の中だが、乱世故にこそ生き残る
ためには、口コミに勝る武器は無い。(了)
Kenさんのスケッチは、ブログ容量の関係で削除させて頂きましたが、11月1日に、「かんぽう」さんから『ユニークに乾杯』というタイトルで出版予定です。定価2.000円。
ISBN978-4-904021-03-3 C0071 1905E
株式会社 かんぽうサービス ℡06-6443-2173
大阪市西区江戸堀1-2-14 肥後橋官報ビル6F(〒550-0002)
店長においしい焼酎をいただきたいと店に腰をおろすなり
たのんだ。
ひとつ、ふたつとこれはという銘柄をいただいたあと
店長自ら次はちょっとコクのある銘柄で行かれますかと
促されて「それお願いします」と頼んだら、その銘柄は
なんと「ハナタレ」である。
ラベルの説明書きにアルコール濃度44.1~44.9度と
あるではないか。結構焼酎をいただいた後での
44度である。覚悟して飲んだ。それがまた実にうまい。
創業明治18年の宮崎県の(株)黒木本店製造である。
なぜ「ハナタレ」というのか。
蒸留担当の蔵人は「釜炊き」と呼ばれ、蒸留機から最初に
垂れてくる出はなの焼酎、つまりハナタレを今か今かと
待ち続けながら蒸気圧の調整に全神経を集中しなかければ
ならない。
仕込みの季節が来て、はじめての蒸留のとき、蒸留機から
垂れてくる銀色に輝いたハナタレに触れる瞬間は、蔵人に
とって言い知れぬ喜びと緊張の一瞬ですと説明書に
あった。
話は飛ぶ。一昔前には神戸のような街中でもハナタレ姿を
よく目にした。ハナタレが街から姿を消したのは淋しいが
由緒ある焼酎の銘柄として「ハナタレ」が生きていることを
知り嬉しくなってしまった。
「よし萬」は料理ではいまさら言うまでもない評判のお店である。
秘蔵のお酒「ハナタレ」を惜しげもなく客人に格別の値段で
飲ませてくれた店長の心意気に改めて感謝した次第である。
この日、開店早々さるご婦人が友達を連れて店に来た。
「店長、お昼おいしかったからまた来たんや」というではないか。
インターネット万能の世の中だが、乱世故にこそ生き残る
ためには、口コミに勝る武器は無い。(了)
Kenさんのスケッチは、ブログ容量の関係で削除させて頂きましたが、11月1日に、「かんぽう」さんから『ユニークに乾杯』というタイトルで出版予定です。定価2.000円。
ISBN978-4-904021-03-3 C0071 1905E
株式会社 かんぽうサービス ℡06-6443-2173
大阪市西区江戸堀1-2-14 肥後橋官報ビル6F(〒550-0002)