原油相場がOPEC減産の行方をめぐり不安定な動きをしていると今朝のWSJ紙は伝えている。バレル60ドルを割れると困るのか為替市場でもよく見られる口先介入を始めたのだろう。
OPEC減産のニュースを材料に一時64ドル台まで戻したが、OPEC全生産日量2,800万バレルのうち1,000万バレルを供給しているサウジアラビアが態度を鮮明にしていないことが決め手にならない最大の背景であろう。
ベネズエラが日量5万バレル減産を開始するとの情報がながれたあと、ベネズエラのChaves大統領がOPEC加盟国は、バレル50~60ドル間で原油相場が安定すれば十分であると語ったという情報が流れた。
イランの濃縮ウラン開発をめぐって対立していたことが、原油相場を過去最高値の80ドル近くまで引き上げた要因のひとつであるが、ロシアと中国がイラン制裁に消極的であることから、米国のブッシュ大統領の強行発言もトーンダウンしている。
ハリケーンが来るとはやして原油相場に提灯をつけていたが、10月を前にして昨年壊滅的被害をもたらせたカトリーナクラスのハリケーンが発生しなかったことも原油相場下落に影響したようだ。
ハリケーンに加えて原油の供給サイドの動きとして、アラスカ・ブルドー湾のBP油田日量40万バレルのうち、油漏れによる被害は日量25,000から30,000バレル程度の減産に留まるとの情報を流している。
一時はBPアラスカ油田能力の半分の20万バレル止まると大騒ぎしていた。メキシコ湾内で新たな油田が発見されたという情報が流されたのも原油相場が下げ相場に転換した後である。意図的に情報をリークして原油相場を抑えている可能性は十分考えられる。
アメリカCNBCテレビを見ているとこのところ米中間選挙の二ユースを盛んに流すようになった。現政権の共和党の宣伝臭が強いが、ポールセン財務長官談話を発表して、中国との関係が中間選挙の争点にならないよう配慮している。
ブッシュ大統領は油のにおいがすると米経済誌Business Weekに書かれたことがある。
原油高騰がインフレ懸念の材料に使われるとまずい。利上げ打ち止めムードを定着させることが中間選挙を控えたブッシュ政権には欠かせない。少なくとも選挙が終わるまでは原油相場はおとなしくしておいて欲しいというのが現政権の本音ではなかろうか。(了)
江嵜企画代表・Ken
OPEC減産のニュースを材料に一時64ドル台まで戻したが、OPEC全生産日量2,800万バレルのうち1,000万バレルを供給しているサウジアラビアが態度を鮮明にしていないことが決め手にならない最大の背景であろう。
ベネズエラが日量5万バレル減産を開始するとの情報がながれたあと、ベネズエラのChaves大統領がOPEC加盟国は、バレル50~60ドル間で原油相場が安定すれば十分であると語ったという情報が流れた。
イランの濃縮ウラン開発をめぐって対立していたことが、原油相場を過去最高値の80ドル近くまで引き上げた要因のひとつであるが、ロシアと中国がイラン制裁に消極的であることから、米国のブッシュ大統領の強行発言もトーンダウンしている。
ハリケーンが来るとはやして原油相場に提灯をつけていたが、10月を前にして昨年壊滅的被害をもたらせたカトリーナクラスのハリケーンが発生しなかったことも原油相場下落に影響したようだ。
ハリケーンに加えて原油の供給サイドの動きとして、アラスカ・ブルドー湾のBP油田日量40万バレルのうち、油漏れによる被害は日量25,000から30,000バレル程度の減産に留まるとの情報を流している。
一時はBPアラスカ油田能力の半分の20万バレル止まると大騒ぎしていた。メキシコ湾内で新たな油田が発見されたという情報が流されたのも原油相場が下げ相場に転換した後である。意図的に情報をリークして原油相場を抑えている可能性は十分考えられる。
アメリカCNBCテレビを見ているとこのところ米中間選挙の二ユースを盛んに流すようになった。現政権の共和党の宣伝臭が強いが、ポールセン財務長官談話を発表して、中国との関係が中間選挙の争点にならないよう配慮している。
ブッシュ大統領は油のにおいがすると米経済誌Business Weekに書かれたことがある。
原油高騰がインフレ懸念の材料に使われるとまずい。利上げ打ち止めムードを定着させることが中間選挙を控えたブッシュ政権には欠かせない。少なくとも選挙が終わるまでは原油相場はおとなしくしておいて欲しいというのが現政権の本音ではなかろうか。(了)
江嵜企画代表・Ken