キャリートレードってなんですか?と
ハリックさんのお知り合いから質問がありました。
Kenさんの独断と偏見ですがひとつの見方として
ご参考にお読みいただければ幸いです。
キャリートレードを日本語では最近、「円借り取引」と
翻訳しているようです。
一口で言いますと金利の安い国(例:日本)で
資金を調達(日本の銀行でお金を借りる)、その資金で
ドルを買う行為のことです。
米国の短期の目標金利は5.25%です。
日本は0.25%ですから米国で投資すれば
手数料を払っても利ざやが 稼げます。
次に 買ったドルで米国債(ドル建て)や通貨としての
ユーロや 英ポンドを買います。
米国債の利回りは現在4.8%前後ですからここでも
利ざやが稼げます。
勿論、 円でユーロや英ポンドを直接買うこともできます。
ただ、円による取引はドルとユーロ、ドルと英ポンドと
比べて取引が少なくなかなか成立しません。
大量にユーロや英ポンドを円で買う場合は値段がつきません。
買いたいときも買えず、売りたいときも
売れません。
そのため一端円を売り、ドルに両替します。
売り物が増えると物の値段(この場合はお金の値段ですが)は
安くなります。つまり円安です。
今回G7でキャリートレードをドイツが問題にしたのは
「そもそもの原因は日銀が0.25%という異常に
安い金利を設定しているためだ。
日銀と政府はグルになっている。
日本国の金融政策を改める必要がある。」
と噛み付いたと思われます。
一方、日本政府は巨額の国債を発行しています。
もし利上げすれば国債の利払いが増え、益々
財政赤字ガ増えます。
日本政府としても国債が暴落するので
なかなか利上げに踏み切れません。
日銀総裁は利上げを望んでいるようですが今ひとつ
迫力がありません。
米国政府の立場で眺めてみるとどうでしようか。
日本の金利が安いために、円を売り
ドルを買う。買ったドルで米国の国債を買ってくれると
ありがたいのは米国です。
もし日銀が利上げすればアメリカへ流れていたお金が
日本から出て行かなくなる。
日本に国債を買ってもらえないと米国債は暴落する。
金利が上がる。
米国としては せっかく景気がよくなってきたが金利が上がると
景気回復に水が差される。
日本の金融機関はどうでしょうか。
0.25%では日本の銀行も運用できません。
手数料も出ません。
海外でお金を運用したくなるのは自然の成り行きです。
米国債やカナダ債、二ユージーランド債、
豪州債を買い、国内では安い金利でお金を借りて、株式、債券、
投資信託に投資しています。
株式はリスクが高いため流れは債券と投資信託を買う資金に
流れています。
現在投資信託は銀行が90%以上でほとんどです。
今年10月から郵政民営化で郵便局が投資信託を
始めます。
もし10月まで日本の金利が0.25%のままなら
個人の預金から投資信託へお金が回されるでしょう。
米国の財務長官が現在の1ドル=120円の水準は
日本の景気がまだデフレだ。利上げ反対だと言いました。
ただ、日本政府は為替市場で日本政府自らが意図的に
昔やっていた(円売り介入)という為替操作を
最近は やっていないと日本政府を米国は擁護しました。
しかしよくよく考え見ると米国は日本のためではないのです。
アメリカの国益のために行動したのです。
アメリカはよその国のために擁護した例はまれではないでしょうか。
多くは国益優先です。
そのあたりは中国人と共通点が多いようです。
アメリカ人の行動パターンがわかり易いのは
自分の国益のためならやる。国益にならなければやらない。
実にはっきりしています。
国益のために今回のG7の会合で米国はドイツを
説得したに違いありません。
そういう意味からいうと今回のG7の会合は日米対ドイツその他の
ヨーロッパ連合軍のせめぎあいでした。
アメリカがカナダと組んでドイツその他の欧州連合軍を押し切ったようです。
その結果 日本はアメリカチームの援護で円安が表沙汰になりませんでした。
翻って、 日本の政府の立場ではどうでしょうか。
日本政府は参院選挙を控え時間稼ぎしたいようです。
2月のに日銀政策決定会議で日銀が利上げを見送る可能性が
出てきました。
12月、1月これで2回利上げを見送りました。
2月利上げを見送ると3ヶ月連続です。
先延ばしすれば結局夏以降になると
10月まで利上げなしというシナリオです。
円安は目先的には輸出企業にもプラスです。
法人税も減税です。
まず企業の採算を改善させ株価を上げることを
考えています。
円安はまたインフレを誘導します。
日本は 膨大な借金を抱えていますから日本政府は
インフレを歓迎しています。
その点はインフレの怖さをからだに叩き込まれている
ドイツと180度違います。
円安はお金の値打ちがなくなることです。
ドイツなどが矛を収めた背景に欧州中央銀行が
ユーロが安くなるとインフレが進むとブレーキを
かけたからだとおもいます。
ユーロが安くなるとドイツなど欧州の物価は上がります。
インフレ的になります。
米国もインフレを怖れています。
当然、ドル安・円高よりドル高・円安歓迎です。
インフレを歓迎する日本。
インフレを恐れる欧州とアメリカ。
その産物のひとつが円キャリートレードだと
私は考えています。
円キャリートレードとは安い金利の国でお金を
借り金利の高い国で利ざやを稼ぐことです。
しかし一皮むけば自国の利害得失がヘドロのごとく
からんだ魑魅魍魎の世界だと思います。
長々と失礼しました。(了)
ハリックさんのお知り合いから質問がありました。
Kenさんの独断と偏見ですがひとつの見方として
ご参考にお読みいただければ幸いです。
キャリートレードを日本語では最近、「円借り取引」と
翻訳しているようです。
一口で言いますと金利の安い国(例:日本)で
資金を調達(日本の銀行でお金を借りる)、その資金で
ドルを買う行為のことです。
米国の短期の目標金利は5.25%です。
日本は0.25%ですから米国で投資すれば
手数料を払っても利ざやが 稼げます。
次に 買ったドルで米国債(ドル建て)や通貨としての
ユーロや 英ポンドを買います。
米国債の利回りは現在4.8%前後ですからここでも
利ざやが稼げます。
勿論、 円でユーロや英ポンドを直接買うこともできます。
ただ、円による取引はドルとユーロ、ドルと英ポンドと
比べて取引が少なくなかなか成立しません。
大量にユーロや英ポンドを円で買う場合は値段がつきません。
買いたいときも買えず、売りたいときも
売れません。
そのため一端円を売り、ドルに両替します。
売り物が増えると物の値段(この場合はお金の値段ですが)は
安くなります。つまり円安です。
今回G7でキャリートレードをドイツが問題にしたのは
「そもそもの原因は日銀が0.25%という異常に
安い金利を設定しているためだ。
日銀と政府はグルになっている。
日本国の金融政策を改める必要がある。」
と噛み付いたと思われます。
一方、日本政府は巨額の国債を発行しています。
もし利上げすれば国債の利払いが増え、益々
財政赤字ガ増えます。
日本政府としても国債が暴落するので
なかなか利上げに踏み切れません。
日銀総裁は利上げを望んでいるようですが今ひとつ
迫力がありません。
米国政府の立場で眺めてみるとどうでしようか。
日本の金利が安いために、円を売り
ドルを買う。買ったドルで米国の国債を買ってくれると
ありがたいのは米国です。
もし日銀が利上げすればアメリカへ流れていたお金が
日本から出て行かなくなる。
日本に国債を買ってもらえないと米国債は暴落する。
金利が上がる。
米国としては せっかく景気がよくなってきたが金利が上がると
景気回復に水が差される。
日本の金融機関はどうでしょうか。
0.25%では日本の銀行も運用できません。
手数料も出ません。
海外でお金を運用したくなるのは自然の成り行きです。
米国債やカナダ債、二ユージーランド債、
豪州債を買い、国内では安い金利でお金を借りて、株式、債券、
投資信託に投資しています。
株式はリスクが高いため流れは債券と投資信託を買う資金に
流れています。
現在投資信託は銀行が90%以上でほとんどです。
今年10月から郵政民営化で郵便局が投資信託を
始めます。
もし10月まで日本の金利が0.25%のままなら
個人の預金から投資信託へお金が回されるでしょう。
米国の財務長官が現在の1ドル=120円の水準は
日本の景気がまだデフレだ。利上げ反対だと言いました。
ただ、日本政府は為替市場で日本政府自らが意図的に
昔やっていた(円売り介入)という為替操作を
最近は やっていないと日本政府を米国は擁護しました。
しかしよくよく考え見ると米国は日本のためではないのです。
アメリカの国益のために行動したのです。
アメリカはよその国のために擁護した例はまれではないでしょうか。
多くは国益優先です。
そのあたりは中国人と共通点が多いようです。
アメリカ人の行動パターンがわかり易いのは
自分の国益のためならやる。国益にならなければやらない。
実にはっきりしています。
国益のために今回のG7の会合で米国はドイツを
説得したに違いありません。
そういう意味からいうと今回のG7の会合は日米対ドイツその他の
ヨーロッパ連合軍のせめぎあいでした。
アメリカがカナダと組んでドイツその他の欧州連合軍を押し切ったようです。
その結果 日本はアメリカチームの援護で円安が表沙汰になりませんでした。
翻って、 日本の政府の立場ではどうでしょうか。
日本政府は参院選挙を控え時間稼ぎしたいようです。
2月のに日銀政策決定会議で日銀が利上げを見送る可能性が
出てきました。
12月、1月これで2回利上げを見送りました。
2月利上げを見送ると3ヶ月連続です。
先延ばしすれば結局夏以降になると
10月まで利上げなしというシナリオです。
円安は目先的には輸出企業にもプラスです。
法人税も減税です。
まず企業の採算を改善させ株価を上げることを
考えています。
円安はまたインフレを誘導します。
日本は 膨大な借金を抱えていますから日本政府は
インフレを歓迎しています。
その点はインフレの怖さをからだに叩き込まれている
ドイツと180度違います。
円安はお金の値打ちがなくなることです。
ドイツなどが矛を収めた背景に欧州中央銀行が
ユーロが安くなるとインフレが進むとブレーキを
かけたからだとおもいます。
ユーロが安くなるとドイツなど欧州の物価は上がります。
インフレ的になります。
米国もインフレを怖れています。
当然、ドル安・円高よりドル高・円安歓迎です。
インフレを歓迎する日本。
インフレを恐れる欧州とアメリカ。
その産物のひとつが円キャリートレードだと
私は考えています。
円キャリートレードとは安い金利の国でお金を
借り金利の高い国で利ざやを稼ぐことです。
しかし一皮むけば自国の利害得失がヘドロのごとく
からんだ魑魅魍魎の世界だと思います。
長々と失礼しました。(了)