バーナンキ米FRB議長の米上院銀行委員会での証言が米東部時間午前10時から始まり、それがCNNテレビで実況放送されていた。あらかじめ用意されたステートメントを読み上げたあと委員との質疑応答があった。
バーナンキ議長は、「米国経済は成長を維持している。コアインフレ率は徐々ながら収まっている。ただ、成り行き次第で、中央銀行はインフレ対策を用意している」と話した。一部にはタカ派的発言を懸念していたから、インフレ不安が減殺され安心感が強まった。
米国景気見通しについては、住宅需要のスローダウンが2007年には収まり、一方、雇用拡大により賃金が上がることから、2007年と2008年にかけて、心地よい状態(comfortable)という表現で楽観的に米国経済を展望していることが特に印象的に残った。
公聴会での議員とのやり取りをテレビ中継で見ていたが、日本の円安問題について聞かれたバーナンキ議長は、「日本政府は為替操作をしておらず、現在の相場はマーケットに委ねられている。」と明言した。質疑応答の中でも日本と中国は異なると一線を画した。
バーナンキ議長の証言を受けて、ドルは1ドル=120.80円前後まで値下がりした。債券相場は上昇し、10年物国債利回りは4.75%台へ低下した。バーナンキ証言に敏感に反応したのは、株式市場で、NYダウは、前日比87ドル高、12,741ドルと新高値を更新した。
NY原油相場(WTI)が、前日比1.07ドル下げ、57.99ドルで取引された。原油がバレル60ドル前後で落ち着き、住宅の冷え込みが2007年中に収束すれば、米国経済のソフトランディングのシナリオを描けると金融政策の総元締めも考えているのかもしれない。
DaimlerChyslerが、2006年10~12月の純利益が40%減少の決算報告のあと、13,000人の解雇を発表した。一部にクライスラー身売りの観測も出ている。今朝の上院公聴会でも議員から質問が出たが、国際競争力をつける必要があるとバーナンキ議長はあっさりかわした。クライスラーの株価は合理化策を歓迎して6.5%以上値上がりした。
一方、今朝のWSJ紙によれば、ポールソン米財務長官はWSJ紙とのインタービューで、中国政府に対して外国資本に一層門戸を開放するよう求めていくこと、中国に国内消費拡大の必要性を求めると述べた。ただ、中国の為替政策については明言しなかった。
米議会での今朝のテレビでのやり取りと比べ、日本の政府高官の答弁は、それを質す野党も何を意図しての質問なのかさっぱりわからない。失言の揚足取りに終始している。はっきり物を言う訓練が、子供の頃から、日本で今ほど求められる時代はないと痛感する。(了)
江嵜企画代表・Ken
バーナンキ議長は、「米国経済は成長を維持している。コアインフレ率は徐々ながら収まっている。ただ、成り行き次第で、中央銀行はインフレ対策を用意している」と話した。一部にはタカ派的発言を懸念していたから、インフレ不安が減殺され安心感が強まった。
米国景気見通しについては、住宅需要のスローダウンが2007年には収まり、一方、雇用拡大により賃金が上がることから、2007年と2008年にかけて、心地よい状態(comfortable)という表現で楽観的に米国経済を展望していることが特に印象的に残った。
公聴会での議員とのやり取りをテレビ中継で見ていたが、日本の円安問題について聞かれたバーナンキ議長は、「日本政府は為替操作をしておらず、現在の相場はマーケットに委ねられている。」と明言した。質疑応答の中でも日本と中国は異なると一線を画した。
バーナンキ議長の証言を受けて、ドルは1ドル=120.80円前後まで値下がりした。債券相場は上昇し、10年物国債利回りは4.75%台へ低下した。バーナンキ証言に敏感に反応したのは、株式市場で、NYダウは、前日比87ドル高、12,741ドルと新高値を更新した。
NY原油相場(WTI)が、前日比1.07ドル下げ、57.99ドルで取引された。原油がバレル60ドル前後で落ち着き、住宅の冷え込みが2007年中に収束すれば、米国経済のソフトランディングのシナリオを描けると金融政策の総元締めも考えているのかもしれない。
DaimlerChyslerが、2006年10~12月の純利益が40%減少の決算報告のあと、13,000人の解雇を発表した。一部にクライスラー身売りの観測も出ている。今朝の上院公聴会でも議員から質問が出たが、国際競争力をつける必要があるとバーナンキ議長はあっさりかわした。クライスラーの株価は合理化策を歓迎して6.5%以上値上がりした。
一方、今朝のWSJ紙によれば、ポールソン米財務長官はWSJ紙とのインタービューで、中国政府に対して外国資本に一層門戸を開放するよう求めていくこと、中国に国内消費拡大の必要性を求めると述べた。ただ、中国の為替政策については明言しなかった。
米議会での今朝のテレビでのやり取りと比べ、日本の政府高官の答弁は、それを質す野党も何を意図しての質問なのかさっぱりわからない。失言の揚足取りに終始している。はっきり物を言う訓練が、子供の頃から、日本で今ほど求められる時代はないと痛感する。(了)
江嵜企画代表・Ken