今朝のWSJ紙は、「G20(金融サミット)は、IMF(国際通貨基金)に1兆ドル(100兆円)規模の追加支援を決める」との見出しで、今回の金融サミットが、開発途上国援助にスポットライトを当てたと解説していた。イギリスBBC放送も、「途上国救済に重きを置いた」と解説した。
今朝のNHK・BS「おはよう世界」では、サミット主催国、イギリス(ブラウン首相)はじめアメリカ(オバマ大統領)、ドイツ(メルケル首相)、フランス(サルコジ大統領)、ロシア(メドベイジエフ大統領)の各国首脳が「成功だった」と語る記者会見の様子を伝えるそれぞれの国のテレビ局の放送を紹介していた。
ブラウン英首相は、「5兆ドル(500兆円)規模の経済対策実施により、世界経済を回復軌道に乗せ、GDP成長率4%押し上げに貢献することになる。世界経済は2010年末には2%拡大する。」と金融サミットの成果を謳い上げた。
サルコジ大統領は、「会議が始まる前は緊迫していた。包括的結論が得られるとは誰も予想できなかった」と評価した。メルケル首相は、「各国首脳は精力的に動いた。OECDはタックスヘイブン(税率を低く抑えて資金を呼び寄せる制度)リストを公表することが決まった」と語った。
べドベイジエフ大統領は、「正しい方向に向けて一歩前進した。真剣な内容である。ロシアが提案したIMF改革案、金融機関の透明性強化、タックスヘイブンの規制強化などが認められた。」とロシアの言い分が通ったと自画自賛していた。
NY株式市場は、今回の金融サミットは成功と評価して、NYダウは、前日比216ドル高、7,978ドル、ナスダックは51ポイント高の1602ポントで取引を終了した。米商務省が2月の米耐久財受注高が1.8%増加したことが相場を支えた。シティーグループ(2.2%)、バンクオブアメリカ(2.7%)はそれぞれ上げるなど、金融株の値上がりがNYダウ上昇をリードしたとWSJ紙は解説した。
NY外国為替市場では、ECB(欧州中央銀行)が、大方の予測の政策金利0.5%下げに反し、0.25%下げに抑えたことから、ユーロが対ドルで買われ、前日の1ユーロ=1.3229ドルから1ユーロ=1.3455ドルで取引された。ユーロは対円で1ユーロ=133.80円へ値上がりした。
ドルは、NY株高と日本の「タンカン」が悪材料とされ、対円で値上がり、11月5日来最高値の1ドル=99.91円で取引された。NY株高が続けば、円売りドル買いの動きが強まり、1ドル=100円を突破するとの一部の見方を今朝のWSJ紙は紹介していた。
NYダウがこのまま上昇を続けるのかについて、NHK「おはよう世界」が紹介したブルムバーグによれば、「NYダウが8200ドルを付ければ利益確定の売りが出る。今の相場は上限に近い。音楽が止まれば相場は急落するだろう」と株式市場好転は一時的であり、値上がり幅もわずかにとどまる」との一部の専門家の見方を紹介していた。
NY原油(WTI)先物相場は、前日比バレル4.07ドル値上がり、52.46ドルで取引された。G20 でIMFへの具体的支援が打ち出され、米国含め世界の原油需要が回復する。米国経済の先行きに対する楽観論が増加したことで、原油相場を下支えしたようだ。
景気の先行きに楽観論が出始めた結果、投機資金が流れ込んでいたNY金先物市場では、資金が株式に流れ、トロイオンス24ドル安、902ドルまで値下がりした。一方、需要の半分以上を工業製品で占めるプラチナ相場は、オンス20ドル値上がりし、1,153ドルで取引された。「餌場」が、安全パイの金から、景気敏感なプラチナへ移動すると、「水鳥」は、判断したのであろう。
「餌場」のシフトは、外国為替市場でも見られる。今朝のWSJ紙によれば、今まで売られていた豪州ドルやNZドル、ブラジルレアル、ロシアルーブルが今後、買われるだろうとの専門家の見方を紹介している。3月に入り、対ドルで豪ドルは9%、NZドルは14%値上がりしている。
世界の失業率は米国8.1%、EU7.9% ,ロシア6.2%、インド6.8%、ブラジル8%など依然として高く、さらなる悪化が予想される。日本でもこれからむしろ失業者が増えるだろう。足元の世界の景気は何一つ良くなっていない。しかし今回のG20で、来年末に世界景気2%回復を目標に置いた。
嵐が止むとしても1年以上先の話である。気の長い話だ。楽観もできない。しかし、今回のG20で、一筋の光明を見出したと前向きにとらえることもできる。今の日本には不平不満を言う人が多過る。日本ほど恵まれた国もないだろう。健康第一で、笑顔を忘れず、毎日を明るく送りたい。(了)
今朝のNHK・BS「おはよう世界」では、サミット主催国、イギリス(ブラウン首相)はじめアメリカ(オバマ大統領)、ドイツ(メルケル首相)、フランス(サルコジ大統領)、ロシア(メドベイジエフ大統領)の各国首脳が「成功だった」と語る記者会見の様子を伝えるそれぞれの国のテレビ局の放送を紹介していた。
ブラウン英首相は、「5兆ドル(500兆円)規模の経済対策実施により、世界経済を回復軌道に乗せ、GDP成長率4%押し上げに貢献することになる。世界経済は2010年末には2%拡大する。」と金融サミットの成果を謳い上げた。
サルコジ大統領は、「会議が始まる前は緊迫していた。包括的結論が得られるとは誰も予想できなかった」と評価した。メルケル首相は、「各国首脳は精力的に動いた。OECDはタックスヘイブン(税率を低く抑えて資金を呼び寄せる制度)リストを公表することが決まった」と語った。
べドベイジエフ大統領は、「正しい方向に向けて一歩前進した。真剣な内容である。ロシアが提案したIMF改革案、金融機関の透明性強化、タックスヘイブンの規制強化などが認められた。」とロシアの言い分が通ったと自画自賛していた。
NY株式市場は、今回の金融サミットは成功と評価して、NYダウは、前日比216ドル高、7,978ドル、ナスダックは51ポイント高の1602ポントで取引を終了した。米商務省が2月の米耐久財受注高が1.8%増加したことが相場を支えた。シティーグループ(2.2%)、バンクオブアメリカ(2.7%)はそれぞれ上げるなど、金融株の値上がりがNYダウ上昇をリードしたとWSJ紙は解説した。
NY外国為替市場では、ECB(欧州中央銀行)が、大方の予測の政策金利0.5%下げに反し、0.25%下げに抑えたことから、ユーロが対ドルで買われ、前日の1ユーロ=1.3229ドルから1ユーロ=1.3455ドルで取引された。ユーロは対円で1ユーロ=133.80円へ値上がりした。
ドルは、NY株高と日本の「タンカン」が悪材料とされ、対円で値上がり、11月5日来最高値の1ドル=99.91円で取引された。NY株高が続けば、円売りドル買いの動きが強まり、1ドル=100円を突破するとの一部の見方を今朝のWSJ紙は紹介していた。
NYダウがこのまま上昇を続けるのかについて、NHK「おはよう世界」が紹介したブルムバーグによれば、「NYダウが8200ドルを付ければ利益確定の売りが出る。今の相場は上限に近い。音楽が止まれば相場は急落するだろう」と株式市場好転は一時的であり、値上がり幅もわずかにとどまる」との一部の専門家の見方を紹介していた。
NY原油(WTI)先物相場は、前日比バレル4.07ドル値上がり、52.46ドルで取引された。G20 でIMFへの具体的支援が打ち出され、米国含め世界の原油需要が回復する。米国経済の先行きに対する楽観論が増加したことで、原油相場を下支えしたようだ。
景気の先行きに楽観論が出始めた結果、投機資金が流れ込んでいたNY金先物市場では、資金が株式に流れ、トロイオンス24ドル安、902ドルまで値下がりした。一方、需要の半分以上を工業製品で占めるプラチナ相場は、オンス20ドル値上がりし、1,153ドルで取引された。「餌場」が、安全パイの金から、景気敏感なプラチナへ移動すると、「水鳥」は、判断したのであろう。
「餌場」のシフトは、外国為替市場でも見られる。今朝のWSJ紙によれば、今まで売られていた豪州ドルやNZドル、ブラジルレアル、ロシアルーブルが今後、買われるだろうとの専門家の見方を紹介している。3月に入り、対ドルで豪ドルは9%、NZドルは14%値上がりしている。
世界の失業率は米国8.1%、EU7.9% ,ロシア6.2%、インド6.8%、ブラジル8%など依然として高く、さらなる悪化が予想される。日本でもこれからむしろ失業者が増えるだろう。足元の世界の景気は何一つ良くなっていない。しかし今回のG20で、来年末に世界景気2%回復を目標に置いた。
嵐が止むとしても1年以上先の話である。気の長い話だ。楽観もできない。しかし、今回のG20で、一筋の光明を見出したと前向きにとらえることもできる。今の日本には不平不満を言う人が多過る。日本ほど恵まれた国もないだろう。健康第一で、笑顔を忘れず、毎日を明るく送りたい。(了)