ハリックの診断即治療&虹彩と、Kenさんの経済学&スケッチ

虹彩には、体質や、現在、過去、未来、のデータが秘められています。虹彩学による虹彩分析を針灸、巨針、食事療法の指針に!

桂文珍独演会:神戸酒心館(スケッチ&コメント)

2009-04-06 10:34:06 | スケッチ


桂文珍独演会:神戸酒心館

江嵜企画代表・Ken



 桂文珍独演会が、神戸酒心館(078-841-2612)で開かれ、家族と楽しみにして出かけた。前座に弟子の桂一楼が、中継ぎに、本人は、「目の保養のため」といっていたが、内海英華師匠が出て、見事な三味線の音色を聞かせてくれた。
 
 文珍さんは、先日、一昨年から、日本全国くまなく回り、生の落語を聞かせた功績が
認められ、芸術選賞部門で、文部科学大臣賞を受賞された。そのお披露目と文珍さんの演壇姿のラベルが貼られたお酒一升が当館社長の安福幸雄さんから贈られた。
 
 この日の演題は、前座の一楼さんも文珍さんも、認知症を取り上げた。一楼さんは、「行き倒れ」になった仏さんを「本人確認」する話である。出かけた先で倒れて死ぬ。だから「行き倒れ」。ところが、「生き倒れ」だから、まだ生きている。「本人確認」が必要だと話を展開させて笑いを誘う。

 昨今、なにかというと「本人確認」、「本人確認」を求めるが、そのあたりの世相も
風刺しているから笑いを取れるのであろう。

 文珍さんは、「自分の出た小学校の同級生の名前がわかららない(忘れた)」ということを落語の枕に使った。文章に起こせば、なんの変哲もないが、話はこうだ。

 マネジャーが見せた一枚の手紙。卒業した小学校の同級生が落語のあと文珍さんに会いたいと書いてある。そこに6名の名前が並んでいた。「まったく覚えがない。」そのあとのやり取りが落語の枕に使われた。

 マネジャー「同級生の名前すら忘れたんすか?」
 文珍さん 「見たことも聞いたこともない」
 
  後で分かるが、文珍さんの生まれが昭和23年。訪問客の卒業の年が昭和26年。小学校にも 行ってない。3歳の子供が同級生の名前を覚えているはずがないでないかと、ここでまた笑わせた。

 文珍さんは時事問題から入る落語が多い。北朝鮮もオバマさんも出てくる。この日のようにストレートに認知症を取り上げるのは珍しい。この日は、息子が親の顔を忘れる話が出て来た。「どちらさんですか?」と息子が言う。「お前の母親やないか」と母。

 老人が老親を介護するのは日常茶飯だが、その一方で、最近、若年認知症が日本でも急激に増えてきており、深刻な事態に直面しつつあると、先日もテレビで紹介していた。60,70でボケが進むのはある面止むを得ない。しかし、30,40代からボケが始まり、先日の放送では50代が一番多いという。

 近くの喫茶「いけだ」でもボケの話がよく出る。先日もボケをボケと呼ばず、ボケを認知症と呼ぶようになってから一段と自分のまわりにもボケが増えたのではないかと誰かが言い放っていた。
 
 藤山寛美さんが差別用語禁止で喜劇が面白くなくなったと生前率直に話しておられた。電波に乗せない生の落語会が受けるのも一面、ボケをボケというところから、本来の落語を楽しめると常々思っている。

 ボケがボケだと認知出来ている間はボケでない。ボケをボケと認知できなくなれば正真証明の認知症である。ボケないよう、ボケないようにと、気にしないことがボケ防止の近道かもしれない。

 第22回、「春秋落語会」の会場の様子をいつものようにスケッチした。(了)

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水鳥から学ぶ、リスク・アピタイトの流れ強まる(学校で教えてくれない経済学)

2009-04-06 07:33:04 | 経済学
 経済の世界で最近特に目立つ動きは、外国為替市場で、日本円の値打ちが急激に低下していることである。日本という国は、自国通貨の値打ちが上がる円高を悲しみ、値打ちが下がる円安を歓迎する、動物の世界でいえば類まれな珍種である。円高還元セールや電気代・ガス代の値下げにしり込みしないことをひたすら祈るのみである。

 昨日のレートでみれば、102.69円出さないと1ドル紙幣を買うことが出来ない。いまユーロを買おうとすると138.36円、英国ポンドは159.03円、豪州ドルは81.42円、NZドルは67.44円である。日本円の値打ちは大きく低下した。日本は豪州から大量の石炭を牛肉を買っているから石炭や牛肉の値下がりにブレーキがかかるだろう。

 円高になれば同じ品物をその分安く買える。その反対に、円の値打ちが下がる、つまり円安になれば、同じ品物を買う場合、多くのお金を出さねばならない。円高を嘆き、円安を喜ぶのは、輸出業者だけで、資源の99%を海外からの輸入に依存している日本のような国は、通貨の値打ちが下がる、円安を好ましくないと見る方が自然である。

 円とドルだけの動きでも、リーマンブラザーズ破たん直後は、90円出せば1ドルが買えた。当時、豪ドルは60円、NZドルは50円、ユーロは110円目前だった。様変わりである。特に豪ドルの戻り幅が大きい。豪ドルは81円だから昨年の100円から見れば、まだまだだが回復軌道に乗った。

 しかしながら、世界経済の実態が改善したわけではない。先日のG20でも本復は来年末と見ている。例えば、米国の3月の失業率は8.5%へ悪化した。83年11月来最悪のデータが出た。今後さらに失業率は高くなると見られている。

にも拘わらず、ドルが対円で値上がりした。なぜなのか。リーマンショックで全ての人が立ちすくんでいた時、日本円が安全パイとして輝いて見えたにすぎない。その結果、円買いが殺到した。余りにも売られ過ぎた反動が、今、もろに出ている。NYダウ反発も売られ過ぎの修正であろう。

余りにも売られ過ぎた商品に原油がある。バレル150ドルは昨年の7月だった。まだ9ケ月しか経過していない。ことしはじめにバレル32ドルまで値下がりした。いま52ドルまで戻してきている。IMFや世銀による1兆ドル(100兆円)の支援が、開発途上国へのカンフルになれば原油相場も反発してくるだろう。

 リーマンショック後、一段と輝いていた商品に金がある。NY金先物相場は、リーマン破たん前は、トロイオンス700ドル台まで値下がりしていた。それがリーマン破たんで一気に1013ドルまで急騰した。ところが、ここへきて、安全資産として高く評価されていた金に対するメッキがはげた。前週末、金相場は890ドルまで値下がりした。象徴的な動きである。

 この先どこまで円が値下がりするのか。神様に聞いてもらいたい。為替相場はエコノミストの墓場である。為替専門家でならす榊原英資氏は1ユーロ=100円になると予測しておられた。少なくとも短期的には見通しを間違えたことになる。対ドルでも1ドル=50円になると言うひともおられる。ただ、寝ても覚めても、ドル札輪転機を回し続ける米国。ドル安の大きな流れは変わらないだろう。

 最近、リスク・アピタイト(risk appetite) という言葉が外国の新聞で、目立つようになった。アピタイトとは平たく言えば食欲である。リスクとは危険という意味である。リスクアピタイトとは直訳すれば、危険物に対して食欲を起こすことである。

 水鳥の生態をよく観察しているといろいろなことを教えてくれる。危険な場所には基本的には近づかない。しかし水や餌がなければ生きられない。ぎりぎりのところである程度のリスクを冒してでも元の餌場に戻ってくる。

それでも危ないと感じると即その場を離れる。危険がないと察知すると、なにごともなかったかのように餌場には戻ってくる。現在、外国為替市場で見られるリスクアピタイト現象は、水鳥の世界で日常茶飯時のごく当たり前の動きに過ぎない。 

ここで大事だなことは餌場は時々刻々、変わることである。元の餌場に戻るのではない。今、餌場かどうかを見極めて水鳥は戻ってくる。日によって水流の勢いも違う。水嵩の高さも違う。餌の中身も違う。そのため微妙に場所を変えている。おなじ場所に釣り糸にをたれておれば餌にあり付けると思っていると命が危ない。

たかが為替。されど為替である。所詮、相場の世界だと毛嫌いすることは簡単だ。水や餌がなければ生きていけない、命がけで生きている水鳥の生態から学ぶことは多いのではなかろうか。(了)

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