今朝の日本の新聞に、「NYダウ200ドル以上上昇」と小さな活字で出ていた。下げた時には大きな見出しで騒いでいた。その方が新聞が売れるからだろう。不景気だ、不景気だとマイナスの情報を流す日本のマスコミの体質が一向に改まらないのは困ったことだ。
日本では自国通貨の値打ちが上がる、つまり円高は悪、自国通貨の値打ちが下がる、つまり円安は善との見方を一向に変えようとしない。自分の持ち物の価値が上がることを喜ばないことが、いかにおかしなことだと、なぜ気がつかないのだろうか。
NY株式市場で、金融株が軒並み値上がりして、前日比246ドル高、8,084ドルで取引を終了した。米金融大手のウエルズ・ファーゴが、今年1~3月期の決算で、予想純利益が30億ドル(3000億円)と発表したことがきっかけだ。同社の株価は19.61ドルへ31%値上がりした。
今朝のWSJ紙によると、NYタイムズが、現在、米財務相が実施していう「国有化」の資格試験をである「ストレス・テスト」に19の米金融機関全てが「合格」し、「国有化」の必要がなくなるとの記事を掲載したこともNYダウ急騰を後押ししたと書いていた。
アメリカの金融機関は「国有化(nationalize)」という言葉が大嫌いである。NYタイムズが「国有化」の必要がなくなるとの記事を書いたものだから、ウオール街が有頂天になったに違いない。JPモルガン(19%高)、バンクオブアメリカ(35%高)を代表に、米金融株が軒並み大幅に値上がりした。
先のウエルズ・ファーゴの決算数字の説明の中で、同社の扱う住宅ローン申請件数が1.6倍を記録したというコメントがあった。米FRBは、政策金利をゼロから0.25%まで引き下げた。にもかかわらず30年物の住宅ローンの固定金利は年5.2%を下限にして動かなかった。ところが3月に一気に4.8%台へ急落、住宅ローンの借り換えが爆発的に起こっていると伝えられる。
NHK・BS「おはよう世界」は、3月はじめにABCニュース紹介で取り上げ、ワシントンDC近郊の不動産屋のおばさんが「朝から電話が鳴りっぱなしで、てんてこ舞いよ。」と話していると報道していた。その他の米国の経済ニュースでも、3月の失業率が8.5%を記録するなど悪いニュースが続くなかで、住宅着工申請件数が改善しつつあると既に報道されていた。
お金を返せないと分かっていながら、米金融機関はお金を貸した。巨額の不良債権を発生させた。自業自得である。しかし、結果として世界金融危機まで発展した。住宅という動脈瘤が破裂して発症した病気である。その住宅という患部に変化の兆しが出て来たのであれば世界を巻き込んだ金融危機という病気も回復に向かう可能性があると考えるひとが増えてきつつあるのであろう。
近くの喫茶店でも株の話はタブーである。為替の話などは論外だ。原油はガソリンが上がった時は多少話題に出た。しかし、ガソリンが下がると話に出てこない。店のなじみ客にクリに―ング屋さんのご主人がおられる。ガソリンは下がったが、客足は減ったと毎日難しい顔をしておられる。
難しい顔をしているのはクリーニング屋さんだけではない。今どきニコニコと、ご機嫌な顔をしていると、なにか悪いことでもしているのかと、あらぬ疑いをかけられるのかもしれない。敢えて難しい顔をする。「不景気ですな、不景気ですな」と、相槌を打つ客が圧倒的に多い。日本とはそういう国である。だからマスコミも「不景気だ、不景気だ」と悲観的な記事ばかり流すのであろう。
今朝のWSJ紙は、NYダウは上げたが、米国経済はこの先悪くなると見ているひとが圧倒的に多いと指摘している。実態経済はなにも良くなっていない。金融危機が起こる前までは、「ティファニーで買い物をしていた。そういう人までもウオールマートへ出かけるようになった」と書いた。
二ユーズウイーク日本版(4月15日号)で、「不景気に、節約するともっと不景気になる」と書いている。「スーパーでさえ、安いものを買う。買うつもりだった新車は我慢する。」「お金を借りて収入以上の買い物をすると見られてきた国民が貯蓄を始めた。05~07年でゼロだった貯蓄率が09年1月に5%に達した。余裕のある人はもっと散財してほしい。」と書いた。
おまえはだめだ、おまえはだめだと、親に言われ続けて大人になった人が周りにも結構おられる。桜の花でも「奇麗に咲いてくれたね、ありがとう」といわれると来年もきれいに咲いてくれるという話を先日聞いた。褒められて怒る人はいない。現実の世界は決して甘くないが、今朝のNYダウ246ドル高を素直に歓迎したい。(了)
日本では自国通貨の値打ちが上がる、つまり円高は悪、自国通貨の値打ちが下がる、つまり円安は善との見方を一向に変えようとしない。自分の持ち物の価値が上がることを喜ばないことが、いかにおかしなことだと、なぜ気がつかないのだろうか。
NY株式市場で、金融株が軒並み値上がりして、前日比246ドル高、8,084ドルで取引を終了した。米金融大手のウエルズ・ファーゴが、今年1~3月期の決算で、予想純利益が30億ドル(3000億円)と発表したことがきっかけだ。同社の株価は19.61ドルへ31%値上がりした。
今朝のWSJ紙によると、NYタイムズが、現在、米財務相が実施していう「国有化」の資格試験をである「ストレス・テスト」に19の米金融機関全てが「合格」し、「国有化」の必要がなくなるとの記事を掲載したこともNYダウ急騰を後押ししたと書いていた。
アメリカの金融機関は「国有化(nationalize)」という言葉が大嫌いである。NYタイムズが「国有化」の必要がなくなるとの記事を書いたものだから、ウオール街が有頂天になったに違いない。JPモルガン(19%高)、バンクオブアメリカ(35%高)を代表に、米金融株が軒並み大幅に値上がりした。
先のウエルズ・ファーゴの決算数字の説明の中で、同社の扱う住宅ローン申請件数が1.6倍を記録したというコメントがあった。米FRBは、政策金利をゼロから0.25%まで引き下げた。にもかかわらず30年物の住宅ローンの固定金利は年5.2%を下限にして動かなかった。ところが3月に一気に4.8%台へ急落、住宅ローンの借り換えが爆発的に起こっていると伝えられる。
NHK・BS「おはよう世界」は、3月はじめにABCニュース紹介で取り上げ、ワシントンDC近郊の不動産屋のおばさんが「朝から電話が鳴りっぱなしで、てんてこ舞いよ。」と話していると報道していた。その他の米国の経済ニュースでも、3月の失業率が8.5%を記録するなど悪いニュースが続くなかで、住宅着工申請件数が改善しつつあると既に報道されていた。
お金を返せないと分かっていながら、米金融機関はお金を貸した。巨額の不良債権を発生させた。自業自得である。しかし、結果として世界金融危機まで発展した。住宅という動脈瘤が破裂して発症した病気である。その住宅という患部に変化の兆しが出て来たのであれば世界を巻き込んだ金融危機という病気も回復に向かう可能性があると考えるひとが増えてきつつあるのであろう。
近くの喫茶店でも株の話はタブーである。為替の話などは論外だ。原油はガソリンが上がった時は多少話題に出た。しかし、ガソリンが下がると話に出てこない。店のなじみ客にクリに―ング屋さんのご主人がおられる。ガソリンは下がったが、客足は減ったと毎日難しい顔をしておられる。
難しい顔をしているのはクリーニング屋さんだけではない。今どきニコニコと、ご機嫌な顔をしていると、なにか悪いことでもしているのかと、あらぬ疑いをかけられるのかもしれない。敢えて難しい顔をする。「不景気ですな、不景気ですな」と、相槌を打つ客が圧倒的に多い。日本とはそういう国である。だからマスコミも「不景気だ、不景気だ」と悲観的な記事ばかり流すのであろう。
今朝のWSJ紙は、NYダウは上げたが、米国経済はこの先悪くなると見ているひとが圧倒的に多いと指摘している。実態経済はなにも良くなっていない。金融危機が起こる前までは、「ティファニーで買い物をしていた。そういう人までもウオールマートへ出かけるようになった」と書いた。
二ユーズウイーク日本版(4月15日号)で、「不景気に、節約するともっと不景気になる」と書いている。「スーパーでさえ、安いものを買う。買うつもりだった新車は我慢する。」「お金を借りて収入以上の買い物をすると見られてきた国民が貯蓄を始めた。05~07年でゼロだった貯蓄率が09年1月に5%に達した。余裕のある人はもっと散財してほしい。」と書いた。
おまえはだめだ、おまえはだめだと、親に言われ続けて大人になった人が周りにも結構おられる。桜の花でも「奇麗に咲いてくれたね、ありがとう」といわれると来年もきれいに咲いてくれるという話を先日聞いた。褒められて怒る人はいない。現実の世界は決して甘くないが、今朝のNYダウ246ドル高を素直に歓迎したい。(了)