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日銀が「禁じ手」に手を出しはじめると危ない?(学校で教えてくれない経済学)

2010-10-17 10:56:57 | 経済学
「経済教室」(10月15日付け日経朝刊)に「日本がデフレ不況に陥ったのは消費が低迷したからだ。①現役世代の賃金所得上昇が止まったこと、②人口の高齢化、③利子所得の消滅が重要な役割を果たしている。」と中前忠氏と斎藤朋子氏が書いておられた。大いに注目される記事であろう。

「景気指標」(10日11日付け日経朝刊)に「ルビコン川を渡った日銀」の見出しで、土屋直哉編集委員が、日銀が「包括的金融緩和策」として、ゼロ金利復活に加えて、指数連動型上場投資信託(ETF)と不動産投資信託(REIT)を新設基金による買い入れを決めた。中央銀行の禁じ手であるはずのリスクマネーに日銀が踏み込んだ。」と指摘していた。

不慣れなことや「禁じ手」に手を出すと成功したためしがないことは歴史が証明している。

バ―ナンキ米FRB議長がボストンで15日講演し、「量的緩和政策に一段と踏み込む」と発言した。ところが、15日のNY債券市場は、債券が売られ、10年物国債の利回りは年2.571% へ反転した。「量的緩和」は「利下げ」を催促するが逆に上げた。」と15日付けのWSJ紙は書いていた。

15日のNY商品先物市場では、バ―ナンキ発言で株価も反応なし、一方、原油、金などこのところ「量的緩和」を材料に上げていた商品相場が反落した。CNBCテレビのコメンテーターは「14日から流れが変わった」とグラフを示して力説していた。

原油はバレル84ドルまで上げたが、81ドル台まで反落した。OPECが生産枠据え置きを決めた背景を指摘する向きもあるが、「量的緩和」を材料に流れ込んでいた投機資金が「様子見」のスタンスに変わったのかもしれない。

「量的緩和」はドル安を連想する。原油同様に金相場も「ドル安」を追い風に史上最高値更新を続けていたが、トロイオンス1,400ドルを目前にして1,370ドル台へ後退した。プラチナも同1,707ドルまで付けた後、利益確定の売りが出て、1,670ドルまで値下がりした。

水鳥の動きと同じで、投機資金は「逃げ足が早く、深追いしない」。中国人の行動を見ていると水鳥に近い動きをする。日本人は一度決めると梃子でも動かないところがあり、しかも、変えないことを美徳としているところがあるから特に外交で臍をかむことが多い。

近くの喫茶店では「量的緩和」も「ゼロ金利」も話題にならない。しかし、昨日、神戸市が30歳以下を除き、ベースアップを停止したことを珍しく話題にしていた。震災後15年経過し、神戸空港の累積赤字も重なり「機能不全」の症状が出始めたようだ。老人が増え、利子所得消滅、日銀が「禁じ手」に手を出した。警戒するに越したことはなさそうだ。(了)

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