ハリックの診断即治療&虹彩と、Kenさんの経済学&スケッチ

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ドル安進み、原油83.23ドル、金オンス1,346ドル(学校で教えてくれない経済学)

2010-10-07 14:48:06 | 経済学
ドル安の流れが止まらない。むしろ加速しているとさえ思える。ドルは、対ユーロで、2月来の安値の1ユーロ=1.39ドル台まで値下がりした。対円では1ドル=82.70円台まで値下がりした。つい先日大騒ぎした「円高介入」時点の相場をもあっさり割り込んだ。

7日付けの日経朝刊に、豪ドル、インドネシアルピア、韓国ウオンなど新興・資源国通貨に対してもドルが値下がりしていると出ていた。日本円だけが値上がりしているのではない。ドルがその他通貨に対して全面安の展開になって来ていることを教えている。 

今週末のG7,来月のG20を控えているため、自国通貨安を目的とした「ドル買い」介入はやり難い。一方、アメリカは11月の中間選挙を前にして、「金融緩和」で、景気の底割れを防がねばならない。流れはどうしても「金融緩和」イコール「ドル安」の方程式になるのであろう。

6日発表された民間部門の雇用数が増加の予想が逆に減少した。金曜日、米政府発表予定の9月雇用統計も悪い数字が出る怖れがあるとドル先安を必要以上に煽っている。ドル安の原因は米国自身にある。昼夜、輪転機を回して、ドル札を刷り続けている本家本元のアメリカさんが、ドル安を容認しているのだから始末が悪い。

ドル安の流れを受けて、NY金先物相場は、前日比トロイオンス(31キロ)当り7.50ドル上げ、1,346ドルと史上最高値を更新した。プラチナは同1,707ドルまで値上がりした。銅、スズ、アルミなど非鉄金属相場も値上がりした。

日本画の画材にも金の砂子を使う。業者は在庫を抱えているにも関わらず、大幅に値上げしている。困ったものだと、日本画教室でも最近の金相場の上昇は話題になっている。金箔の値段も値上げしてきている。値上げの半分は便上だろう。

NY原油(WTI)先物相場は、小幅ながらバレル41セント上げ、83,23ドルで取引を終了した。7日付け日経朝刊にドバイ原油が5月振りの高値。ガソリンの値段に圧力」と出ていた。

ただ、ドル82円台まで円の値打ちが上がっているから原油、ガソリンのドル建ての値上げも、円ベースではが値上がりピッチは抑えられる。電力会社やガス会社までが、ドル安をいいことに、日本画材店のように便乗値上げさせないようマスコミさんも十分監視しておいて欲しい。

7日朝の「おはよう世界」でフランス・アンテン・ドウ―が小麦相場が去年の同時期の130ユーロが現在230円ユーロへ値上がりしたお陰で、赤字が黒字になった。ユーロ安で輸出が伸びたこともプラスだと話す農民の声を紹介していた。

スペインTVEは年金改革の審議がスペイン議会で審議されている様子を紹介していた。スペインでは財政赤字削減に取り組んでいる。年金の支給年齢の引き上げが与野党の争点になっていると紹介していた。日本でも年金問題が最大のテーマであることを国民も日々目を光らせておく必要があるだろう。

スペインTVEは為替問題を取り上げ、人民元が余りにも安すぎると議員が発言していた。しかし、中国は成長率10%を維持するためということを大義名分に、欧米の人民元切り上げ要請に応じる様子は全くないと解説していた。

人民元はドルに固定されて動いている。ドル安が続く限り人民元高に対する期待は難しいだろう。ドル安が今後の世界経済に具体的にどのような陰を落としていくのだろうか。他人事でなく、日本人一人一人にとっても目が離せないテーマであろう。(了)

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