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五臓六腑にしみわたる経済政策が今こそ日本政府に求められる(学校で教えてくれない経済学)

2010-12-20 10:21:37 | 経済学
からだの一か所でも痛みがあると元気が出ない。今年3月、生まれて初めて脊椎のヘルニアに襲われ、突然歩けなくなり正直慌てた。下の歯が一本痛くて仕事が手に着かない経験もした。経済とからだの健康には共通点が多い。地球はひとつだからギリシャというからだで言えば盲腸のような一国が痛むだけでユーロ圏にとどまらず世界全体を金融危機に追い込んだ。

原油・為替・金利という3点セットで長年経済を見て来た。2年前リーマンブラザーズが倒れた結果、原油相場はバレル当り最高値147ドルから30ドルまで暴落した。現在それが86ドル前後まで回復している。欧米景気は不透明だが、中国、インド、ブラジルなどでの根強い需要と、ドル相場が対ユーロで20%以上値下がりしたことも影響した。

対ドルで買われたユーロだったが、今年3月、ギリシャ危機を契機に、一時、1ユーロ=1.18ドルまで値下がりした。欧州全体がIMFの助けを借りて、ギリシャ救済に動いた結果、一時1ユーロ=1.35ドル目前までユーロ相場が対ドルで回復した。ギリシャという一臓器の問題にとどまらない。ギリシャがひと息入れたと思ったら、アイルランド問題が表面化した。アイルランド問題には英国はじめ欧州の金融機関も深く関わっていた。ECBが2倍の増資を決めたのも問題が起これば国債買い入れに踏み切るぞという強い姿勢を示すためだった。

アイルランド問題を放置すれば、ポルトガルという臓器に波及する。ポルトガルなら経済規模が比較的小さいからまだいい。スペインという臓器がやられたら、欧州第四番目に経済規模が大きいからEU全体に病気が広がる。そうなればユーロ崩壊の危機にも発展する。ギリシャ問題では一時冷ややかだったドイツもアイルランド問題から姿勢に変化が現れた。EU委員会もECBもアイルランド救済に必死に取り組んだ。まだ病状は予断を許さないが、1ユーロ=1.31ドル台まで回復している。

金利は短期については欧米の政策金利はゼロ近辺の水準である。ただ、10年物国債利回りで見れば、長めの金利が2.0割れ寸前まで低下したが、一時3.5%台まで急騰した。余りにも急激な上昇だったが、現在3.4%台まで調整を入れている。しかし、相場の動きを見ていると、インフレの臭いをかぎつけて、上がりたがっているのがよく分かる。特に、米国経済が住宅と雇用で依然、不透明部分を残しながらも、明らかに米国の景気指標に改善の兆しがみられることからドル堅調を予見している。

五臓六腑という言葉がある。広辞苑によれば、五臓とは、心・肝・脾・肺・腎の五つの臓器。六腑とは大腸・小腸・胆・胃・三焦・膀胱と出ていた。三焦とは広辞苑によれば、上焦(心臓の下、胃の上)、中焦(胃の中)、下焦(膀胱の上にあって排泄をつかさどる)の三つとあった。

五臓六腑はそれぞれ独立した臓器のように素人目には思える。しかし、実はそうではなさそうだ。個々の臓器は、お互いが密接不可分につながっている。一つの臓器がおかしくなれば、からだ全体が病気になる。ギリシャ問題やアイルランド問題は好例であろう。





ジンマシンにスプレーをかけても病気は治らない。経済は生き物である。いまこそ五臓六腑に染みわたる経済政策が日本政府に求められる。(了)

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