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ことが起こってから目をパチクリさせても後の祭りだ。インフレ懸念がアメリカでも出て来た

2011-02-08 10:59:09 | 経済学
(学校で教えてくれない経済学)


「Bond Market Flashes Inflation Warning(債券市場でインフレ警告の閃光走る)」のタイトルでMarkCongloff記者が7日のWSJ紙に長文の記事を書いていた。カメラのフラッシュを急に焚かれて、目をパチクリさせている感じがflashという言葉によく出ている。

記者が目を付けたポイントは、10年物国債の利回りが壁と見られていた3.5%をあっさり超え、30年物国債のそれが4.7%超えた。その一方で2年物国債の利回りが横ばいのため、利回り格差が2.0%から2.8%へ拡大した。米10年物国債の利回りは先週末の2月5日、3.647%を付けた。7日日のNY債券市場では横ばいだった。

コングロフ記者は、長期国債の利回りが上がり、短期国債の利回りが動かないケースは昨年4月にかけて似たような動きがみられたと指摘した。ところが昨年春、ギリシャ危機が突如起こり、5月に欧州金融危機に発展した結果、景気悪化を嫌気して長期国債の利回りが低下、長短金利差が2.0%まで縮小していた。欧州金融危機は完全に収まっていない。しかし、最悪の危機は脱したとマーケットはとらえた。欧州経済の機関車、ドイツ経済が欧州景気をリードしている。

おひざ元のアメリカ景気はどうか。予想外の早いピッチで回復してきている。住宅は冴えないが、9%なかばで高止まりしていた失業率が9.0%まで下がった。これは予想外の動きである。相次ぎ発表される米企業業績は明らかに改善している。FRBによる量的緩和政策は今年6月に終わるが早めに切り上げる必要が出て来たのではないか。放置しているとインフレが進行してむしろ取り返しがつかない恐れがあるではないかとコングロフ記者は指摘していた。

一方、週明け7日のNY株式市場では、NYダウは先週末比69ドル高、12,161ドルで取引を終了した。「おはよう世界」が紹介するブルームバーグに出演したあるインベストメント・アドバイザーは「米企業業績に改善が見られる。ただ、個人の消費が増えている割には賃金が増えていない。お金を借りて買い物に走ったため貯蓄率が若干下がった。株価は5ケ月連続で上げて過熱感があるが、エジプト情勢に対する懸念が後退したことも投資家に安心感を与えている。」などと語っていた。

エジプト情勢は予断を許さないと見られている。ただ、7日のNY原油(WTI)先物相場は、バレル1.55ドル下げて、87.48ドルで取引された。スエズ運河閉鎖の事態は回避されそうだという空気が生まれているのであろう。NY金先物相場も小幅ながらオンス70セント下げ、1,347ドルで取引された。原油相場や金相場は、人間の体で言えば血圧のようなもので、緊張すれば上がる。気持ちが落ち着けば下がる。もちろん中東情勢はいつ何が起こってもおかしくないと言われる。原油相場の先行きは楽観できないが、少なくとも相場が落ち着いてきたことは景気回復にはプラスに働くであろう。

「おはよう世界」(経済情報)に出演した三井住友銀行の呉田真二氏は「失業率が9.0%に低下した。米企業の好業績が発表されている。それが株価を押し上げた。NY外国為替市場では長期金利が3.6%台をつけたことで利回り格差からドルが買われ、1ドル=82.31~35円で取引された。ユーロはドイツの製造業指数の悪化を嫌気してユーロが売られ、1ユーロ=111.79~87円と対ユーロでは円高が進んだ。」などと解説していた。

日本では相変わらずマスコミ含めてデフレ風を吹かしている。インフレは決して好ましいことではないが、病気と同じで、ことが起こってから目をパチクリさせてもあとの祭りだ。(了)

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