ハリックの診断即治療&虹彩と、Kenさんの経済学&スケッチ

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街中経済学、通夜の効用?(学校で教えてくれない経済学)

2011-02-15 08:40:04 | 経済学
大阪に14日の午後から大変な雪が降った。通夜の斎場まで地下鉄2駅の距離だったが、初めての場所であり、足元不如意なこともあって大事をとってJR大阪駅前からタクシーに乗った。

「近くで済みませんね。」と言ったら、「ワンメ―タ―でもひところは客がいた。最近はほとんどいなくなった。」と即答えが跳ね返ってきた。「日本は企業も横並びで、一社がチケットを切らなくなると右へ習えで困りますわ。」と運転手がぼやいていた。

「景気をよくしてもらわんとあきまへんなあ。菅政権はどうですか。」と水を向けた。「菅さんは総理大臣になることが目標だった。総理になったら目標がなくなって何をしたらいいかさえ分からない。」と、以前大阪茨木で開かれた「学問塾」で聞いた同じ話を運転手が口に出したのには正直驚いた。

先の運転手は「そう言いますがね、お客さん、選んだのは国民です。文句、言えまへん。企業も横並び。国民も横並び。横並びでワーッと民主党を選んだのは国民ですよ。文句、言えまへん。」と言っている内に斎場に着いた。1000円のタクシー代を払って降りた。大阪市内でタクシーに乗ることはまずない。授業料と考えれば高くない。

通夜が終わり親戚一同別室で食事となった。男ばかり6人兄弟の末っ子が一昨日、急逝した。61歳の若さである。定年後わずか1年余り。これから家族と水入らずの生活をエンジョイ出来る予定だった。働き詰めのサラリーマン人生だった。辞めてほっとしたのではないかと長男がなくなった弟をねぎらった。

6人兄弟の真ん中で今年70歳になった従兄がたまたま隣の席に座った。彼は子供の時から器用な男だった。小学校のときにニワトリ小屋をつくって親に褒められた。親として、戦後男ばかり6人を食べさせるのは正直厳しい。それで中学を出てすぐ15才で大工になった。震災で全壊して今はないが、里の2階8畳の広間のリフォームを彼がしてくれた話を始めて聞いた。

今の大工はコンピューターが80%家を建ててくれる。宮大工は別だが、普通の家をこれから先の大工は建てられなくなると話していた。リフォ―ムばやりだが、マンションのリフォームはこなせる。昔の家のリフォ―ムは出来なくなっている。彼は20歳の時に棟梁になった。1年で20軒建てたこともあると話していた。70歳になった今も4月まで毎日予定が入っているとニコニコしながら話してくれた。実に頼もしい従弟である。

帰路JR神戸線で快速電車に乗った。「週間ダイヤモンド」最新号の「葬儀、お墓」特集号のつり広告が目に入った。「100万円で永代供養の墓地が都内で人気。」「墓石用の石材、中国20%値上げ」などの見出しが躍っていた。

雑誌を買って読まなくとも中身が分かる。タクシーに始まって車中風景までの「街中経済学」。不不孫だと叱られそうだが、「通夜」の効用かもしれない。(了)

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